コトダマ~The Story of Ayu & Hikaru~
第18章 呼び出し
私の前に立っていたのは紛れもなくヒカルで……。
「アユ、なんでこんな所にいるんだ?」
ヒカルは傷ひとつない顔で不思議そうに私を見つめていた。
「……なんでって……」
「こっちに何か用事でもあるのか?」
「用事っていうか」
「……?」
「ヒカルが神宮先輩達に呼び出されたって聞いたから」
「……」
「……」
「もしかして……」
「……」
「心配してきてくれたのか?」
「うん、まぁ」
「そうか、ありがとな」
嬉しそうな笑みを浮べたヒカルに私の鼓動は高鳴った。
「別に」
思わず俯いた私は重要な事を思い出した。
「それより……」
「……?」
「用件はなんだったの?」
「用件?」
「そう、神宮先輩達に何か言われたんでしょ?」
「あぁ」
「なんて言われたの?」
「別に、大したことじゃねぇーよ」
「大したことじゃない?」
「あぁ」
「ちなみになんて言われたの?」
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