コトダマ~The Story of Ayu & Hikaru~
第18章 呼び出し
穏やかで平和な時間はあっという間に崩れ去りました。
私がヒカルの傍で笑っている間に、その陰はジリジリと忍び寄ってきていたのです。
その陰に私は気づく由もありませんでした。
新学期を迎えた私とヒカル。
始業式の日私とヒカルはみんなの注目を浴びる事となった。
それは、私とヒカルが一緒に登校してきて、一緒に教室に入ったからで……。
夏休みの前まで何の接点もなかった私達が、突然一緒に教室に入って来たんだからみんなが「一体、何事!?」 と思うのも無理はない。
そんな中、唯一亜子ちゃんだけが私に向かってニッコリと微笑みピースサインを送ってくれた。
教室にいる時も、必然的に私とヒカルが一緒にいる時間は長くなった。
でも、2人きりって訳じゃなくて亜子ちゃんやヒカルの友達も一緒だった。
みんなが自然とヒカルの周りに集まる光景。
それは、まるで小学生の頃みたいな光景だった。
ヒカルがいつも私の傍にいて
友達に囲まれていて
バカな冗談で爆笑できる。
そんな日々がこれからずっと続くんだと思っていた。
そんな私の想いを打ち壊したのは“あの人達”だった。
新学期が始まって1週間が過ぎた頃、あの日以来なんの音沙汰もなかった“あの人達”が動き出した。
その日、私はお昼休みになってすぐにトイレに行った。
そして教室に戻った私はすぐに教室の異変に気付いた。
いつもは賑やかなお昼休み。
だけど、その日は不思議なほど静かだった。
……?
なんでこんなに静かなんだろう?
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