コトダマ~The Story of Ayu & Hikaru~
コトダマ~The Story of Ayu & Hikaru~
完結
お礼23
発行者:桜蓮
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ジャンル:恋愛

公開開始日:2014/02/09
最終更新日:---

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コトダマ~The Story of Ayu & Hikaru~ 第17章 穏やかな日々
病院の屋上で数年ぶりにゆっくりと話してから、ヒカルは穏やかになった。

それはずっと伝えたかった事を伝えることができた私の気の所為かもしれないけど……。

なんとなくそう感じるようになった。

相変わらず、ヒカルの病室には昼間、たくさんの人が訪れる。

それも、明らかに病院というこの場所には不似合いな人ばかり。

個室だからまだいいようなものの、もし大部屋とかだったらと思うと、眩暈がするような人達が次々とやってくる。

最初は人が訪れる度に気を遣って病室から出たりしていたけど日にちを追う毎に、私の居場所は病室の端に置いてあるパイプ椅子になった。

誰も『出て行け』なんて言わないし『邪魔だ』とも言わない。

最初の頃には、他人行儀だったその人達もヒカルの退院が迫る頃には私にも飲み物やお菓子を買ってきてくれるようになった。

気軽に掛けられる言葉。

それが私には居心地がよかった。

もしかしたら、この人達に違和感を覚えていたのは私の方だったのかもしれない。

外見でその人達を判断し、距離を作っていたのは私の方かもしれない。

そう気付いてからは、できるだけ自然に接するように心掛けた。

それが良かったのかは分からないけど

私はその人達と笑顔で話せるまでになっていた。

「いよいよ、退院だね」

退院を明日に控えたヒカルに私は声を掛けた。

「あぁ」

ヒカルは疲れ果てたように大きな伸びをした。

ヒカルにとってこの入院生活は窮屈で仕方が無かったらしい。

タバコ一本でさえ吸うためにわざわざ屋上までいかないといけないし

6時起床で21時消灯という生活も夜型人間のヒカルには苦痛だったらしい。
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