別話ゲーマーズフロント
第2章 リアルファイト
「凄い。どこまで行けるの?」
ーワゴンRの生命維持装置の維持時間残留…3日です
「3日だとどこまで行けるの?」
ーとりあえず。月を一周して地球に戻れます。戦闘機動量によって、減少します。
「月に行くって、みんな宇宙飛行士の試験受けてさ、何年も訓練してるよ?」
ー反重力装置を持たない場合は、それが必須です。
「これは付いてるの?」
ー運用試験タイプですが、付いてます。
「じゃあもう。誰でも行けるんだ」
ー宇宙産業保護の為に、公開使用を禁止されています。その解除の時期は未定です。
「これは特別?」
歩美はハンドルを叩いた。
―アクシデンタル オフサイド発令中は限定使用が許可されます。
「歩美。そのかわり宇宙人を殺すかもしれないし、こっちが殺されるかもしれないんだぜ」
歩美は眉毛を上げて、不思議そうに言った。
「ゲームで撃ちまくってる人の発言とは思えないわね?」
「撃ちまくってるだけじゃない。撃たれまくってるし、戦死しまくってるよ。ゲームをやってる人間は、間違っても志願して戦争に行かない。今の俺も辞められるなら辞めたい」
「意外…そうなんだ」
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