「合格しますよ……ローランブリティス教官殿！」
～仕方ない。死んでもらう～
ローランブリティスは左腕で、短いサーベルを抜いた。
「姫！徐装！イジェクション後回収よろしく！」
―意図を理解した
サーベルを離した後、前が開いた。
機体周辺にも反重力が効いている。
スリーブを抜きながら、左手素手でサーベルのグリップを捕まえる。
右に飛び出して、鈍色の突起物を右手でつかんで機体に取り付く。姫コンピューターは前を開いたまま鈍色の両腕をつかんで拘束した。
俺は、いったん身体を振って鈍色の頭部にサーベルを突っ込んだ。
しかしローランブリティスも徐装して、なんとパンチを繰り出してきた。
「ユニークだな！しかし、パイロットにしてはユニーク過ぎる。不合格だ！」
右ストレートをかわしながら、機体の周りを回る。
「合格でも戦死するよりマシだ！」
姫が俺を回収した。
頭部のサーベルを抜く。
ローランブリティスも戻るが、前は開いたままだ。頭部のカメラを潰したからモニターが使えないのだろう。
「あきらめるな。まだ再試験の可能性が有る。頑張れ！」
ローラン大佐は笑いながら、布状の物を持って飛び出して来た。