別話ゲーマーズフロント
第1章 オールドタイプ
―第4話フロントアンドバック
パワードスーツのサドルに腰掛けた俺を見て、歩美は言った。
「それゲームなの?」
「今のところはな」
「言ってる事がわかんない」
「詳しくは中島に聞いてくれ。とりあえず始める」
バシューと言う音と共に、着装した。
着艦シークエンスからジュアンリコのデッキに飛び込むと、モニターに現れたのは、小尉の階級章を付けた若い士官だった。
「よく戻った!01ハインライン小隊はツチハタ一等兵の着任を歓迎する!」
よく見ると送迎バスの運転手だ。
「小尉殿のお名前を御願いできますか?」
「正確には、イヌイ士官候補生である。今回は特務として小尉待遇で乗艦し、ツチハタ一等兵のサポート行う。よろしく頼む」
「ありがとうございます!イヌイ特務小尉殿。教導よろしくお願いします」
特務小尉は笑って頷いた。
「今、小隊は出撃中だ。誰も居ない。全員無事に帰還出来ると良いが……」
「何か心配でも?」
「あぁ。敵が2小隊で数的不利らしい。もし、未帰艦機が出ると俺と出撃が有り得る」
「いきなり?」
「入隊試験満点の新兵は、出撃規制を受けない。手を抜いとくべきだったな」
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