別話ゲーマーズフロント
第1章 オールドタイプ
ブッー
ブッー
ブッー
ブッー
ブッー
目を開けると、ジョニーライデンの帰還の表紙の上で携帯が滑っている。
モニターを見る。
白石歩美
「はい……」
ーゲーム馬鹿ぁ~起きたぁ~
「あれだけ酔っ払って、二日酔いはどうした?」
ー二日酔い?そんなのどうでも良いわ。今日は付き合いなさいよ
「中島ん所でテストプレイが有るんだよ」
ーん~私は入れない?
「問題ないと思うけど…つまんないぞ」
ーあらぁ。久しぶりにゲーム馬鹿の夢中な馬鹿面を見てあげるわよ。うれしいでしょ?
「元カノの思いやりに涙が出そうだ」
ー降りてきなさいよ。家の前に居るから
「まじかよ」
起き上がってカーテンを開けると、歩美のワゴンRが階下に見えた。
運転席の歩美は、元気にも程が有った。
「疲れは?スッピンで何やってんだよ」
「惚れ直した?よりは戻さないわよ?」
「化粧しろよ」
「あらぁ~素顔の君が好きだって世迷事を聞いた事有るけど?」
「若い頃はそういう夢を見るんだよ」
「精神年齢は、あの頃のまま止まってるでしょ?」
カートボネガットの決まり文句を思い出した。
手きびしい事を……。
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