ワイバーンギフ
ワイバーンギフ

発行者:武上 渓
価格:章別決済
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ジャンル:SF

公開開始日:2013/12/31
最終更新日:2014/01/01 10:26

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ワイバーンギフ 第1章 誕生前夜
「どうも。敏文がお世話になってます」
丁寧に頭を下げるお母さんも溢れんばかりに嬉しそうだった。
「いえ。ご迷惑じゃなかったでしょうか?」
秀彦おじさんが応対してくれた。
「迷惑だなんて…ケガして以来こんな敏文を見る事は2度と無いと思ってました。感謝しても感謝しきれません…」
お母さんが私をジッと見た。ちょっと怖かった。
「和代さんですね?」
「はい…」
「敏文に聞きました。自殺しようとした敏文を止めて下さったそうですね。あなたは命の恩人です。ありがとうございました。急でしたので父親が不在で申し訳ございません。また改めてお礼に伺わせて頂きます」
「そんな。お母さん頭を上げて下さい。私はちょっとおせっかいなだけで…それに膝肩くんは、弟のヒーローだったから。弟は膝肩くんをトシって呼ぶんですけど…トシの分もプレイするんだって、頑張ってるんです。だから、元気なトシを弟に見せたら喜ぶだろうなって思ったんです」
お母さんはうなずきながら聞いてくれた。秀彦おじさんは微笑んで言った。
「カズはこう見えても優しい奴なんです。優し過ぎて勘違いされるタイプで…いまだに彼氏が出来ないんですよ」
「まぁ!じゃあちょうどいいかもしれない…」
「何が?ですか?」
「敏文は、勘違いしない子だし、甘えん坊だら…」
「はい…」
とりあえず笑うしかなかった。
「あの…それよりクラブにログインしませんか?膝肩くん待ってます」
彼は私達に関係なく、車椅子を走らせて、アップを繰り返していた。


秀彦おじさんは、例の中身を入れ替えたウォークマンを取り出した。
「膝肩くん!」
私が呼ぶと、アップをしていた膝肩くんが戻って来た。
「終わりました?僕は準備オッケーです!」
秀彦おじさんがウォークマンを渡した。
「そのまま耳にイヤホンの部分を突っ込んでくれ。まだ、起動してないから何も起こらない」
膝肩くんは、目を輝かせてウォークマンを見つめていた。
「あの…」
「どうしたの?」
私は聞いた。
「クラブの名前は決まってるんですか?」
私達は目を見合わせた。そんな事は、はっきり言ってどうでも良かった。それよりこの手作り宇宙船にも等しい技術が空中分解しないかどうかが重要だった。
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