ワイバーンギフ
ワイバーンギフ

発行者:武上 渓
価格:章別決済
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ジャンル:SF

公開開始日:2013/12/31
最終更新日:2014/01/01 10:26

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ワイバーンギフ 第1章 誕生前夜
記者会見当日は、秀彦おじさんが頼んだヘヤメイクさんが、ヒールからすべてコーディネイトしてくれた。
「なんだか…私じゃないみたい」
鏡に映っているのは、頭の回転が早そうな女社長だった。
「能登島さんのオーダーは、説得力だったので、スピード感と安定感を出してみました。ブルーを基調にブラックを差し色にして…締めてといったイメージです。これなら記者会見でなめられないと思います。自信を持って堂々と、押し切れば成功しますよ」
そう言ってくれた待場谷志津子さんは、ヘアメイクとして独立して、最初の仕事が私の記者会見だった。今彼女はパリでセレブ御用達のヘヤメイクアーティストに成っている。
「つまり。私じゃなくて。能登島和代代表を演じるんですね」
志津子さんは、しばらく考えて言った。
「演じちゃダメ。それはすぐにバレルから。能登島和代代表になりなさい。 ワイバーンの前に立ちはだかる物は、全て排除する鉄のブルトーザーよ」
その言葉で私のスイッチが入った。男子に文句も言えない弱虫が能登島和代代表になった。ある意味催眠術だったかもしれないが、私を立たせて、控室のドアを自ら開けさせた。
「代表!勝てますよ」
志津子さんの声にうなづいて、廊下に出た。


廊下には、車椅子の膝肩くんを囲むように、厚見社長と10人のスポンサー会社の社長さんがユニホームで居た。厚見社長が私の姿を見て、ホォーと唸った。
「素晴らしい。完璧だ。我々は、経営者だから上司を持った事はないが…能登島代表なら部下になってもいい」
厚見社長がそう言うと、他の社長さんも口々に褒めてくれた。
「これは…ヘアメイクの待場谷さんの仕事ですから、待場谷さんに伝えておきます」
「いやいや。素材有っての化粧だ。この姿ならマスコミ相手に戦える」
「待場谷さんには悪い言葉ですけどコケ脅しですから」
厚見社長はニヤリと笑った。
「斎籐道三が、柵が有っただけの稲葉山に、本格的な城を築いた時にこう言った。あんなものはコケ脅しだ。城は人が守る。土を掻き揚げただけの砦でも、人がちゃんと守れば守り切れるとね。能登島城主のワイバーン城は、我々がちゃんと守り切る。我々を信じてくれれば問題ない」
「カズさん。元気だせ!前へ!前へ!」
膝肩くんが右手を差し出した。社長さん達も右手を出して円陣を組んだ。
「いくぞ!翔ぶぞ!勝つぞワイバーン!」
私達は会見場に乗り込んだ。
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