ワイバーンギフ
ワイバーンギフ

発行者:武上 渓
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:SF

公開開始日:2013/12/31
最終更新日:2014/01/01 10:26

マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
ワイバーンギフ 第1章 誕生前夜
「大丈夫。練習終わったらやるよ」
「ダ~メよ。お母さんと約束でしょ?戻って優樹」
膝肩くんが私達に気付いて、練習を止めた。
「カズさん。30分だけ優樹を貸して下さい。連携プレイをやりたいんです」
膝肩くんは、弟に甘い。優樹は勝ち誇ったドヤ顔で私を見た。
「じゃあ30分ね」
私は空中に、カウントダウンタイマーを出現させた。無線ラン中継機の左にその突起が有る。
「あ~もう動かすなんて、お姉ちゃんズルイよ!」
弟は慌てて、膝肩くんに向かって走った。その足にボールがバスされる。


今度は隣に、秀彦おじさんが出現した。
「動きにキレが出てきたな。これなら効果的に使える」
「記者会見なんだけど。場所がまだ決まらなくて」
「厚見社長が市民会館の小ホールを、なんとか押さえてくれるらしい。問題は無線ラン中継機を500用意出来るかどうかだな…」
「500人も来るの?」
「担当者が本気で通すつもりだって言っただろ?新聞も雑誌もテレビも来る。島村でスーツを選んどけよ」
「島村にスーツは売ってないよ」


タイマーがゼロになった。
「優樹!時間切れよ!」
「わかった」
残念そうな弟に、膝肩くんが言った。
「優樹。ありがと。また頼むぜ」
「OKトシ」
弟は粗い画像になって消えた。
秀彦おじさんは、私達に言った。
「記者会見は明日だ。明日13時に迎えにくる」
またもや固まった。
「どうして、いつも唐突なの!」
「心配ない。シナリオと想定問答集を作っといた。ログアウトして、しっかり読んどけ」
この時、岐阜の町工場は無線ラン中継機を500作る為に、戦場と化していた事を私は知らなかった。しかし、これを境に岐阜の町工場は世界的規模に発展する。10年後岐阜無線ラン共同組合(GRRA)は、ワイバーンのメインスポンサーになるのだ。
私はログアウトすると、現代用語の基礎知識並の厚さのプリントアウトを抱えて帰った。秀彦おじさんは想定し過ぎる人だった。
24
最初 前へ 21222324252627 次へ 最後
ページへ 
ページの先頭へ