ワイバーンギフ
ワイバーンギフ

発行者:武上 渓
価格:章別決済
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ジャンル:SF

公開開始日:2013/12/31
最終更新日:2014/01/01 10:26

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ワイバーンギフ 第1章 誕生前夜
-第8話記者会見




年が明けて、クラブは2年目に入った。厚見社長の資金で実証試験の内、被験者1人のモニタリング試験が始まった。そこで安全性が確認されると複数の被験者を使って認証試験が行われる。膝肩くんは、1日8時間1ヶ月データをとりながら、ログインする。ログインしたクラブの中では、自力で歩けるようになりボールも蹴り始めた。走れるようになれば、サッカー選手としてプレイできる。彼は記者会見でデモンストレーションができる事を目指していた。車椅子の膝肩くんと、プレイする膝肩くんの対比は記者さんの心を揺さぶるはずだ。


年明け早々私はと言えば。厚見社長の紹介で様々な会社の社長さんと交渉を行なっていた。まずは笑われ、アホ タワケ トロクサイ アカンに決まっとるの連続攻撃に耐えて、ノックアウト寸前まで追い込まれ帰ろうとすると、10人の社長が私を引き留めて同じ事を言った。
「しかし…あの仲道さんが7千万出したんなら何かある。都合つけさしてもらう」
まさに。業界の鉄則は
才能をさがせ!
だった。理論やデータ解析は才能には勝てない。才能は最悪の状況であろうと、どんな場所からでも最後は何故か勝利する。まるで戦隊物の主人公のように……。この得体の知れないサッカークラブになんで?と思ってもそれを超えてしまう力が働くのだ。
こんな調子で10人の社長さんに会って、厚見さんの言った5憶に近い4憶6千万のスポンサー料が約束された。ただし一括では入って来ないし、チームが試合を出来る状態になってからだ。まだ選手は膝肩くん1人だ。さらに対戦相手も必要になってくる。




2月に入って、膝肩くんと正式に選手契約を結んだ。年俸500万の一年契約。18才の女の子と男の子が書類上契約を交わした。実際には、秀彦おじさんと厚見社長とではあるが…。
ログインしたクラブハウスも2月で寒い。グラウンドに出てみると、膝肩くんが黙々と基礎連習をこなしていた。
パイロンの間を巧みにドリブルで抜けて行く。膝肩くんは食事とトイレ以外はログインしたままだ。高校は登校拒否だった為、契約と同時に退学した。ただし、現実世界との接触を保つ為に、日曜はログイン禁止になっている。膝肩くんの家族と私の家族も、無線ラン中継機を持っていて、自由に好きな場所からログインしてくる。
「お姉ちゃん。僕もやって良い?」
いきなり優樹が隣に現れた。
「宿題やった?」
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