ワイバーンギフ
ワイバーンギフ

発行者:武上 渓
価格:章別決済
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ジャンル:SF

公開開始日:2013/12/31
最終更新日:2014/01/01 10:26

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ワイバーンギフ 第1章 誕生前夜
資金がない?資金はどこかに有る。探して持ってくるのが資金だ!
-ホリトモレーシング監督 西堀栄一





-第7話資金調達




現実の膝肩くんの足は微動だにしないが、クラブのトレーニングルームでは手すりに掴まって立ち上がろうとしていた。
震える足は、腕の力を借りて上に伸びてゆく。やがて伸びきるが腕の力を弱めると力なく縮んでゆく。
「カズ。チョット良いか?」
秀彦おじさんが入口に居た。
「何?」
「代表の部屋に来てくれ」
「どうして?ここじゃ駄目なの?」
膝肩くんが振り返った。
「カズさん。選手は知らない方が良いことが有ります。特に対外交渉に関しては」
「カズ。良く覚えとけ。その為に代表は部屋を持ってる」
私は渋々代表の部屋に移った。何も膝肩くんに秘密にする事など無いと思ったからだ。しかし交渉はヒトデナシにならなければならない世界だった。納得出来なくても笑って握手できなければ、最後に勝利する事は出来ない。


「最初のターゲットは、この人物だ」
秀彦おじさんの手に、紙が出現した。受け取って見てみる。


厚見 仲道
カンゼン処理サービス代表取締役。47才。独身。
趣味 マラソン
好きな女性のタイプ 一途で熱いハートを持った女性
毎朝4時2分35秒、長良橋の北詰下をジョギング通過する。


人の良さそうなおじさんの写真がついている。
「…つまり。朝4時に堤防で交渉するって事?信じられない!」
「それだけの価値は有る。業種は産業廃棄物処理だ。去年は黒字決算になってる。しかもマラソンは金の掛からない趣味だ。独身で自由になる資金を持ってるはずだ。一途で熱いハートのカズなら、スポンサーになってくれるはずだ」
「家に行ったら、スニーカーとかリカちゃん人形の自慢話って悲劇にならない?」
「一応、そういった店には出入りしてない。購入履歴も無い。金の動かない収集も有るから、無いとは言い切れんがな」
「一途で熱い女子高生の物を収集は?」
秀彦おじさんの目に、保護者の光が差した。
「その時は、全速で逃げ切れ」
「マラソンが趣味の大人を?」
「発信器を携帯する。性的興奮を潰す警報音も出るやつだ」
私は目を閉じて、首を振った。秀彦おじさんは、未認可テクノロジーの見本市だ。
「そんなもの使えないよ。発信器だけにして」
「じゃあ。このスイッチを切っとく。必要な時に入れればいい」
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