ワイバーンギフ
ワイバーンギフ

発行者:武上 渓
価格:章別決済
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ジャンル:SF

公開開始日:2013/12/31
最終更新日:2014/01/01 10:26

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ワイバーンギフ 第1章 誕生前夜
「悪いニュースの意味もわかった。記者会見が成功するのは、むつかしいんだね?」
「そうだ。新しい技術や新しい概念は理解するのには時間が掛かる。しかし、マスコミには〆切が有る。理解出来るまで待っていられない。ならばどうするか?賛成した場合と反対した場合のリスクを見比べてみる…」
「脳ミソとネットを繋ぐ技術は、生理的に嫌う人の方が多いと、記者は考えるでしょうね…」
「そこを、賛成した方が良さそうだと思わせられるかどうかにクラブの命運が掛かる。担当官は、準備出来次第日程を知らせてくれと言ってくれた。彼は味方だ。しっかり準備して望む。いいか?」
「ヨシッ!」
膝肩くんも私も叫んだ。
「能登島さん。質問です」
「何か穴が有るか?膝肩くん」
私は心配になって膝肩くんを見た。
「そうじゃなくて。担当官が何故味方に?」
「理由は単純だ。彼は巨人ファンで草野球のキャッチャーだ。椎間板ヘルニアを1ヶ月前に発症した。彼はもう一度野球が出来る技術を目にして、理性を失った。彼が理性を取り戻す前に、書類審査とモニタリング試験及び臨床試験をパスする…」
秀彦おじさんは私を見た。
「そのためには、スポンサーが必要だ。頼むぞカズ!」
「秀彦おじさんは?」
「スポンサー獲得は、面と向かって話した時間が勝負だ。生活費を稼ぐためには、あのワゴンの中に居なきゃならない。バックアップはもちろんするが、カズしかやれる人間はいない」
「17才の子供だよ!相手にされる訳ないよ!」
「違うな…」
つぶやいたのは膝肩くんだった。
「子供でなければ、この新しい技術の必要性は語れない。大人には無くて良い技術だからね」
秀彦おじさんは、目を閉じてため息をついた。
「犯罪と交通事故が、子供達をネットに追いやった。人生の大半をネット上で過ごすとしたなら、膝肩くんの云う通りだな。残念ながら…」
クラブ視察と記者会見が行われたのは、翌年の2月になった。
スポンサー探しは、学校が休みの時に社長のプライベートを直撃して敢行した。企業の会議がクラブを承認するとは思えなかったからだ。




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-第7話資金調達
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