ワイバーンギフ
ワイバーンギフ

発行者:武上 渓
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ジャンル:SF

公開開始日:2013/12/31
最終更新日:2014/01/01 10:26

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ワイバーンギフ 第1章 誕生前夜
-第4話クラブハウス




部屋には、たくさんのトロフィーやメダルが飾られていた。
しかしトロフィーはすべて、細部が欠けており、どこかが接着剤でくっ付けてあった。メダルの幾つかには深いキズが刻まれている。ここが壮絶な修羅場であった証であり、私達が失敗すれば元の修羅場に戻るのだと気づいた。自分が人の人生を左右する事になっている。そんなつもりじゃなかったなんて通用しない。しかし、まだ他人事だった。私は秀彦おじさんとの繋ぎ役ぐらいの認識だった。
「じゃあこれはカズの無線ラン中継機だ」
カズと印刷されたシールのウォークマンを渡された。
「私も行くの?」
「行っても膝肩くんは、立てる訳じゃない。立つ練習が必要だ。脳は一年間立つ指令を出してない。それを取り戻さなければ歩けない。カズの介助が要る」
「お母さんとかの方が良いかも」
「いや。中継機は3っしか無い。向こうの体は、カズにカスタマイズして有る。カズは向こうに行っても違和感なく動ける。お母さんの身体データはないからな」
「ちょっとそんなデータいつとったの?」
冗談じゃない。
「心配ない。骨格と筋肉のデータだけだ。外側は顔と手足のみのスキャンだ。服に隠れている部分の画像はない」
「録るって言わなかった!」
「そうか?じゃあやめるか?」
「やめられる訳ないじゃない!」
もう最悪だ。でも戻れない。
「じゃあ、耳に入れてくれ」
仕方なくイヤホン部を入れた。
「よし。右の一番顔側の突起を押し込む。それで起動する」
私は言う通りにした。
「何も起こらないけど?」
「ログインとログアウトは、まぶたで行なう。目を閉じるとログインする。開くとログアウトする。ログアウトはログアウトの文字が消えればログアウトだ。安全装置が無いから、ログアウトするまで耳から外さないように。外すと脳との無線ランエリアは短いから切れて、ログアウト出来なくなる。何か質問は?」
「秀彦おじさんは?」
「外から音声のみでサポートする。バグは無いはずだが、故障は有るからな」
「じゃあ。膝肩くん先に行くよ…」
「すぐに追いつくよ」
「そうね…
私はまぶたを閉じた。
なんと、まぶたを閉じた暗黒に


接続中


の文字が出た。


そして
視界がサッ~と開いた。



どこかの事務所だった。
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