ワイバーンギフ
ワイバーンギフ

発行者:武上 渓
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ジャンル:SF

公開開始日:2013/12/31
最終更新日:2014/01/01 10:26

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ワイバーンギフ 第1章 誕生前夜
「プロサッカークラブのプレスリリースの一番上は、クラブ名です。クラブ名を元にエンブレムがデザインされ…旗が作られる。どの旗の基に結束し、勝利を誓うのかは、選手やスタッフのメンタルモチベーションにとって、最も重要な要素です」
彼は、全てを掛けていたのだ。この時、能天気な私は、それに気付く事が出来なかった。
「膝肩くんが決めて!」
「いいんですか?」
膝肩くんは秀彦おじさんを見た。
「もちろん。異議はない」
「じゃあ発表します」
彼にとって、それは儀式だった。厳かに、それは宣言された。
「クラブ名は。岐阜ワイバーンギフとします!」
全員がそれを頭の中で繰り返した。
お母さんが最初にツッコミを入れた。
「どうして、岐阜が最初と最後に二つ有るの?」
当然のクレームだ。
「省略されても岐阜の名前が出るようにするためだよ。それに、今みたいな疑問が浮かぶから印象に残りやすいんだ」
なかなかの策士だ。
「基本的な質問なんだけどいい?」
「カズさんいいよ?」
「ワイバーンって何?」
私は基本的に英単語に弱い。
「西洋の貴族が紋章って持ってるよね?」
「なんかライオンとか盾とか剣のマーク?」
「エンブレムって言うんだけど、それに使われる架空の動物の名前なんだ」
「あ~ドラゴンとか?」
「ドラゴンは王家しか使えないんだ。だから、ドラゴンのデザインなんだけど、ドラゴンじゃないよワイバーンだよって物なんだ」
チンプンカンプンの私に代わって、秀彦おじさんがうなづいた。
「なるほど。深いな。現実のサッカークラブは王家だ。ネット上のクラブだよって事だな。さらに、ワイバーンの約束は2足だ。そして翼が有る。空中戦でも負けない決意を示す。そして尻尾の先には、矢印型の毒針を持っている。ディフェンスに於いては、確実に仕留め、オフェンスに於いては躊躇なくゴールを決める覚悟を示す…そんな感じか?」
彼は拍手した。
「完璧です!それで行きます!」
「気が早いが、後でプレスリリースを作っとくよ。じゃあログインしようか?」
「秀彦おじさん?この玄関先で?」
「そうだな。お母さん。3人が座れる部屋は有りますか?」
「はい。車椅子のまま敏文の部屋に行けますので、どうぞ」
玄関からバリアフリーになっていて、彼の部屋に通された。
クラブ創設記念日となっているメモリアルサタデー。私達はクラブハウスに第一歩を印した。
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