訪問者 ―visitor―
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発行者:秋月乱丸
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ジャンル:SF

公開開始日:2014/01/19
最終更新日:---

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訪問者 ―visitor― 第1章 First contact
「ああ、聞くところによるとだな……電化製品の類が片っ端からぶっ壊れたらしい。なんかあったんじゃ無いか?」
「……かもな。何かは知らんけど。まぁ近くの電器屋はウハウハなんじゃねぇの?」
「その前に修理でてんてこ舞いだろ」

 動揺を隠して会話をしているうちにHRとなり、担任の坂本が幾分時期外れの転校生がやって来た事をつげた。そして招き入れられた転校生を見て――健吾は言葉を失ったのだった。

「今日から一緒に学ぶ事になった湯浅沙綾(ゆあさ さあや)君だ。小学2年生の時にお父様のお仕事の都合でカナダに移住したんだが、この度帰国して諸君と同級生となった。文化や学校生活の違いも多々あろう。色々と力になってあげて欲しい。では湯浅君、自己紹介を」

 一歩前に出て教室を見回した転校生の顔は――間違いなく昨夜遭遇した謎の少女のものだったのだ。

「皆さん初めまして、湯浅沙綾です。日本の学校生活は殆ど分からないので……色々と教えて下さいね。宜しく」

 落ち着いた声で自己紹介を終えると、男子の間から歓声が沸き起こり、女子からも感嘆の声が漏れる。目も覚めるような美少女が、「好意的」と言う言葉を絵にした様な柔和な笑顔で挨拶をしたのだ。
 確かにこの学校にも、いわゆる「ランクの高い女子」は居る。居るのは居るのだ。だが、この湯浅沙綾は完全に次元が違った。雑誌のモデル程度では、全く太刀打ち出来ないレベルなのだ。男子のテンションが上がらないわけが無い。そんな男子を目の当たりにした女子は後程――「男ってバカね」と言ういつもの結論に至る。だがその中で、健吾ただ一人だけが青ざめた顔をしていた。言葉を発する事も出来ずに。
 そんな騒ぎを坂本が教師の底力で鎮め、湯浅の席を告げる。健吾の右隣の列、後ろから3番目。健吾の隣だった。
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