訪問者 ―visitor―
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発行者:秋月乱丸
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ジャンル:SF

公開開始日:2014/01/19
最終更新日:---

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訪問者 ―visitor― 第1章 First contact
「アヤシイ事ってなんだよ」
「いや~男はほら、一人になると何してるか分かんないから」
「ほほう。じゃ、女はどうなんだよ。一人になったら何してんだ?」
「バカ。スケベ!」

 他愛もない会話をしているうちに学校に着き、自転車置き場から少し離れて歩いて、靴箱の前で別れる。
 元気の良い後ろ姿を見送って上履きに履き替える。健吾が人前でイチャイチャするのを嫌う為、学校ではあまり会話もしない二人だった。くるみに対して申し訳ないという気持ちもあるのだが、これだけはどうしても直せないでいる。いつか自分が成長したら変わるんだろうか……と、ぼんやりした未来を描きながら廊下を歩く。昨夜の出来事が、まるで嘘の様な騒々しさに少し嬉しくなるのだった。 
 3-Aの教室に入ると、いつも通りの賑やかさだった。――ああ、いつもの空気だ―― 今 自分は日常の世界にいる。そう実感して、安堵のため息をつく。かばんを机に置いた所で、級友の中村が慌ただしくやって来た。

「おい美作、昨夜お前のケータイに電話したら、『オカケニナッタデンワハ、デンゲンガ(以下略)』ってなってたぞ? 家に帰ったからって電源切るなよ」
「いや、切ってたんじゃなくてデータが全部とんだんだよ」
「……何やったの? お前」
「いや何も」
「何もせんでデータがとぶかい!!」
「とんだんだから仕方ないだろ!!」

 などと心温まる会話をしていたが、右隣の列の席が一つ増えている事に気付いた。

「あれ? 中村、こっちの列の席、増えてない?」
「ああ、皆気付いてるよ。担任の話じゃ転校生らしいぞ」
「今頃かよ。普通は始業式に来るもんだろうに」
「なんか親の仕事の都合だとよ」
「転校の理由って大半がそれだろ」

 当然の突っ込みだが、中村が詳しく知っていよう筈もない。

「俺が知るか! ああ、それと」

 中村が急に声のトーンを落とした。

「昨晩、山手の辺りで大規模な停電があったの聞いたか?」

 健吾の心臓がドクン! と大きな音を立て、早鐘を打ち始めた。「山手」は健吾が昨夜、謎の飛行物体と遭遇した辺りの地名なのだ。

「マジ? 山手で?」

 冷静さを装いながら聞き返す健吾。



 
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