訪問者 ―visitor―
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発行者:秋月乱丸
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ジャンル:SF

公開開始日:2014/01/19
最終更新日:---

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訪問者 ―visitor― 第5章 last competition
 二人とも活動的な服装なだけのはずが、どうも沙綾に限っては抜群のスタイルのせいか、周囲の目を集めてしまう。
 いや、それだけではない。沙綾は発するオーラの様なものが根本的に違う。少なくとも健吾にはそう思えた。単純に考えれば異星人である上に、桁違いの年齢なのだから当然と言えよう。健吾ならば「さすが600歳オーバー!」で済ませられる筈だが、どうもそれだけでは無いのではないか? ヌアサには他にも何か――何かは分らないが、まだ自分には分らない何かがあるような気がし始めていた。
 だが、そんな気分も木口のヘッドロックで吹き飛んでしまう。

「おい、美作。な・ん・で黒瀬さんだけじゃなく湯浅さんまでお前の応援に来てるんだ?」
「あだだだだ! 痛てぇって! 俺は知らん!」

 嘘である。本当は知っている。応援ではなく、こういった大会の調査なのだ。が、それは言うわけにはいかない。そして、まずい事にくるみと共に自分に声援を送ってくれているのだ。ここは知らぬ存ぜぬで通す以外に方法は無かった。
 しかしこの状況では、健吾が「公認の二股」をかけているようにしか見えないのも事実である。健吾と同様、やや古いタイプである木口も御立腹の様子だった。プロレスファンならではの「細かい技」を使って攻めてくるのである。
 つまりヘッドロックの状態で、手首の関節を健吾のこめかみに当ててグリグリとやりながら締め上げるのである。これは一見地味だが実はかなり効く。

「キャプテン、やっちゃって下さい」
「これは人道に対する罪です。きちんと裁かなければ」

 普段は自分を慕っている後輩達にまで散々な事を言われている。黙々とアップを続ける者も居る事はいるが、圧倒的少数派だ。同学年の連中に至っては、笑いながらけしかける始末だ。

「いやーこれはあれだな、うん。一度ナニした方がいいな」
「いや、お前は何を言ってるのか分らん。言いたい事は分かるが」
「要するにだ。女ったらしはやってしまえって事だろ?」
「そう言う事だ。と言うワケで木口! 部員の総意って事でやっちまえ!」

 こうなると木口も悪乗り炸裂である。ヘッドロックからフェイスロックに移行するやいなや、またしても細かい技が繰り出された。手首の骨(橈骨・とうこつ)を頬骨に引っ掛けて締めるのである。これまた地味だが、強烈に痛い。
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