訪問者 ―visitor―
訪問者 ―visitor―
完結アフィリエイトOK
発行者:秋月乱丸
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:SF

公開開始日:2014/01/19
最終更新日:---

アフィリエイトする
マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
訪問者 ―visitor― 第5章 last competition

「……というわけで、インターハイ予選に出場する事が決まったんだ」
「おめでとう。予選を突破出来たら、また言わせてもらうわね」
「出来たらな。正直、自信は無ぇんだ」
「なら、何故出るの? インターハイ出場は名誉な事なのよね。なら出られなければ意味が無いんじゃないの?」

 素朴な疑問なのかも知れない。論理的な結果だけが全てならば。

「名誉か……欲しくねぇと言えば嘘になるな。でも期待はしてねぇんだ、自分の実力は分かってるから。でも、その実力でどこまで行けるのか。それを試してぇんだ」
「面白いわね、貴方達は」
「褒め言葉と思っとく。そんな俺達地球人のファッションに関心を持ってるヌアサが言うんだから」

 ヌアサは軽く両腕を広げ自分の服装を眺め、

「こう言う多彩な服装って、この星が初めてなの。なにか、こう……これが『楽しい』という事なのかしら」

 「楽しい」が分からない――これは衝撃的だった。ではこれまで見せてきた笑顔は作り物だったのだろうか? 笑顔は楽しさだけで浮かべるものではないにせよ、自分たちが受け取っていたものとは違っていたのか。
 それとはまた別の疑問も湧いてくる。ファッションに関心を寄せるとは、生まれた星が違っても女性というものは共通部分があるものなのか。男にとって女は謎だらけだが、ヌアサは異星人という事で更に謎めいた存在だった。

「面白いのはヌアサの方だ。その感情を『楽しい』と覚えとくといい。きっと正解だ」
「ありがとう。――ね、健吾君の次の大会。応援に行ってもいいかしら。そういう競技会って、行った事が無いの。知っておかないとね」

 また波乱を呼びそうな発言だった。

42
最初 前へ 39404142434445 次へ 最後
ページへ 
ページの先頭へ