訪問者 ―visitor―
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発行者:秋月乱丸
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ジャンル:SF

公開開始日:2014/01/19
最終更新日:---

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訪問者 ―visitor― 第5章 last competition
「カナダから来たって設定はどういう根拠で決めたんだ?」
「どうもこうも、日本に来る前はカナダで同様に調査をしていたからよ」
「あ……そう」
 確かに日本が最初の調査地とはいっていなかった。こういう場合は自分が最初の調査対象と思いがちではあるが、迂闊である事は否めなかった。

「最初の説明だと何年もかけて環境調査をやってたんだよな。ヌアサは一体何歳なんだ? 確かに大人っぽいけど」
「あら。この星では女性に年齢を聞くのは失礼な事なんじゃなかったかしら?」
「あ……すまん、つい」
「いいわ、確かに気になるでしょうしね。私達の平均寿命は……貴方達の平均寿命に三をかけて、ゼロを一つ足したぐらいよ。で、私はその四分の一ぐらいになったところ」
「……日本人の平均寿命で計算していいのか?」
 頷く沙綾。
「ちょ……ざっと……600……!?」
  それが本当なら、さすがに地球人側からの羨望や妬みを受ける破目になるのではないか? 隣人としてくらしても、八尾比丘尼のようになってしまうのではないか? 様々な考えが健吾の脳裏に浮かぶのだった。


 そんなやりとりをして来たが、今日は地球側――と言うか自分の、それも普通の高校生としての事を話してみよう。そんな気になっていた。インターハイ予選に出場できると決まって、正直嬉しいのだ。こんな話をした時にヌアサ=沙綾はどんな顔をするのだろう? どんな反応をするのだろう? 健吾は妙に気になっていた。
 人目につかないように古墳を登って中央辺りに向かうと、一分もしないうちに個人用小型艇アールマティが降りてきた。
 降り立ったヌアサはいつもとは違い、ブーツとタイツとミニスカートをダークブラウンで統一し、その上に淡いグレーのケープを纏っていた。やや意表を突かれた健吾だが、きちんと褒める事は忘れない。
 いや、実際に似合っているのだ。ブーツやミニスカートだけでも十分に美しいのだが、ケープを纏った事で更に品のあるセクシーさになった。ケープは似合わないとモモンガのように見えるものだが、絶妙の長さを選んでいるためか、凛々しい女性騎士の肖像のようだった。
 いつもと違う沙綾の佇まいに戸惑いながら、健吾は今日の大会の結果を告げた。
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