訪問者 ―visitor―
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発行者:秋月乱丸
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ジャンル:SF

公開開始日:2014/01/19
最終更新日:---

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訪問者 ―visitor― 第4章 morning panic
「奇遇だな、俺達もお前が何処で何をしようが知った事では無い。が、しかし! 湯浅さんある所、必ず俺達も共にある! つまり湯浅さんが貴様と関わるなら、俺達『湯浅沙綾さんを崇める会』も貴様と関わらざるを得ん!」
「ちょっと待て! なんでそうなるんだ! 変な会まで作りやがって……今言っただろう、俺はな!」
「貴様の都合など知った事ではない! 俺達の都合でもない! 全ては湯浅さんの都合次第なのだ!」

 最悪である。ヌアサ=沙綾が健吾を観察している以上、必ず健吾と関わるのは明白である。そうすると、この連中も自動的にくっついて来るという事になる。この暑苦しい連中がいては、平和な日常生活はぶち壊しだ。絶望的な気分になった健吾は沙綾とくるみの方へと視線を向ける。これまで女性陣二人は呆気に取られた風に、健吾と竹本のやり取りを見ていたが、とうとうくるみが爆発した。

「ちょっと竹本君! あんたいい加減にしなさいよ! 幾らなんでも一方的過ぎるじゃないの! 湯浅さんを崇めようが拝もうが、そりゃ好きにすればいいわよ! でもね、なんだって湯浅さんが関わる人達にまで迷惑をかけるのよ。健吾君だけの話じゃないわけでしょ!?」
「むう……黒瀬さん、恐らく巻き添えを食うであろう君には申し訳ないとは思う。が、しかしだな……」
「しかしもペプシもないわよ! 大体あんた自分の言ってる事が分かってんの? 完全にストーカー宣言じゃないのよ!」
「ス……ストーカーだと?」

 ようやく我に帰ったらしく、『崇める会』の面々はすがるような目で沙綾を見る。それを受けた沙綾は、しなやかな指を形の良い顎に当てて少し考えるそぶりを見せた後、こう告げた。

「……そうね、ストーカはさすがに困るわね」

 一斉に絶望の呻き声を上げて項垂れる『崇める会』の面々。女神から直接断罪されたも同然なのだ、無理からぬ事だった。だが、ここでフォローを入れるのが沙綾である。

「でもね、気持ちは嬉しいの。それは確かよ。だから常識の範囲内で、周りの人達に迷惑をかけないように気をつけてもらえれば……きっと誰も怒らないと思うの。そうしてもらえたら、私もうれしいな」

 と、慈母のような笑顔で語りかけたのだ。優しく、裏表を微塵も感じさせない雰囲気をまとって。これで『崇める会』の面々が喜ばないはずがなかった。

「うおぉぉぉぉぉぉん!!」

 
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