訪問者 ―visitor―
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発行者:秋月乱丸
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ジャンル:SF

公開開始日:2014/01/19
最終更新日:---

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訪問者 ―visitor― 第4章 morning panic
 全く疑っていない風な沙綾の答えに、健吾と教師たちが同時に吼える。

「周りを見てみろ! 他の女子の誰がそんな登校をしてるってんだ!」

 健吾に言われてキョロキョロと周りを見渡し、

「そう言えばそうね……」
「言われる前に気づけ! んで早く降りろ!」
 とぼけた答えを返す沙綾に、身振り手振りも交えて急かす健吾。だが竹本がその胸倉を掴んで怒鳴る。

「美作! 貴っ様ぁぁぁぁぁ!! 湯浅さんに対してその態度はなんだぁぁぁぁ!!」
「なんだはお前だ! 汚い手を放さんか!」

 竹本の手首を掴んで引き離そうとする。教師達も「落ち着かんか、お前ら!」と間に入って両者を分ける。ようやく本題に入れる空気になったところで、教師達が竹本に向かって言う。

「とにかくだ。もうこんなアホな登校方法はするんじゃない! いいな?」

 至極当然な指導も、目にピンクの膜がかかった状態の竹本には、暴論としか聞こえなかったらしい。

「ちょっと待った! 校則のどこに『神輿通学を禁ず』だなんて項目がある!?」
「どこの世界にわざわざそんな禁止事項を謳った校則があるか!! とにかく周りの迷惑になる行為は禁止されとるだろうが!!」
「じゃぁ周りが迷惑してるって言うんですか!」
「目一杯迷惑しとるだろう! 見えてないのか!」

 周りを見渡し、言葉に詰まる竹本。そこへ沙綾がさらっと

「やっぱり皆に迷惑をかけるのは良くないわね。もうこんな事は止めましょう?」

 と無情とも思える発言をした。「こんな事」扱いされた事も分らないのか、神輿の一団は声を揃えて「ハイ!!」と見事な返事をする。教師たちも内心では頭を抱えつつ、

「もういいから早く行け。この神輿は後で処分するから」

 結局教師達に追い立てられるように靴箱に向かう健吾達。沙綾が一緒に来ているので、竹本達も付いてくる形になっている。それはいいが、何故か神輿の一団は妙に足音が揃っているのが気にかかるザッザッザッと、まるで軍靴の響きだ。軍隊並みに統率されているのだろう。健吾が内心ではウンザリしながら竹本に問いかける。
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