訪問者 ―visitor―
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発行者:秋月乱丸
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ジャンル:SF

公開開始日:2014/01/19
最終更新日:---

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訪問者 ―visitor― 第4章 morning panic
 翌日。健吾はくるみと共にアーケード街を自転車で走っていた。カップルが並んで通学する姿は、年配者の目を細めさせる微笑ましさがある。健吾たちもアーケード街の住人たちと笑顔で朝の挨拶を交わして、学校へと向かう。

「……で、なんかトチ狂った連中に後をつけ回されたってワケよ」
「それは災難だったわねぇ。ま、浮気するほどモテるわけじゃないから、心配はしてなかったけど」
「……信用していたって事にしちゃもらえんか?」
「じゃぁそういう事にしといてあげる。これはサービスね」

 健吾はあくまでも「表向きの事情」を話して、納得してもらう事に成功したのだった。つまり、沙綾と転入前夜に偶然出会い、たまたま同じクラスになり、その縁で校内を案内していたら「彼女がいない連合」につけ回された――という内容だ。偶然という要素が強すぎるが、表面上は間違い無いのだから証人は幾らでもいる。それに、あれだけの美人なのだ。初日からファンクラブめいたものが出来ても「確かにあり得る」と納得するだろう。
 ただ、その姿がかりそめのものである事を知っているのは健吾だけだった。そうなると、当然「本当の姿」が気になってくる。もしも人間とは似ても似つかぬものだったとしたら――やはり年頃の少年としては、目の覚めるような美少女でいて欲しいところだった。
 とは言うものの、すぐ隣には健康美に溢れた彼女がいる。それに何だかんだといっても、ヌアサはいつか必ず居なくなる異星人なのだ。どうこうなろうというつもりも無い。その辺りは古風なところがある少年だった。
 学校へ到着し、自転車置き場から靴箱へ向かう為に正門方向へ連れだって移動する。二人の耳に、妙なざわめきが聞こえてきた。登校時は賑やかなのが普通だが、どうもいつもとは違う。何か騒動でも起こっているのかと二人が正門に行くと、あり得ない光景が展開されていたのだった。
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