訪問者 ―visitor―
訪問者 ―visitor―
完結アフィリエイトOK
発行者:秋月乱丸
価格:章別決済
章別決済は特定の章でのみ課金が発生いたします。
無料の章は自由にお読みいただけます。

ジャンル:SF

公開開始日:2014/01/19
最終更新日:---

アフィリエイトする
マイライブラリ
マイライブラリに追加すると更新情報の通知など細かな設定ができ、読みやすくなります。
章一覧へ(章別決済)
訪問者 ―visitor― 第1章 First contact

「なんだこりゃ? 壊れたのか?」

 足を止めていぶかしんでいると、画面が白に黒に目まぐるしく変わって行く。

「おいおい、ちょっと待てよ。こんなのってあるのかよ?」

 荒い呼吸を落ち着かせながら困惑していると、何か――そう、ハッキリとは分からないが妙な圧迫感を上から感じて頭上を見上げた。そして我が目を疑う事になったのだ。

「何なんだコレは?」

 人は理解不能な物事に突然遭遇すると、疑問を思い浮かべるのが精いっぱいなのかも知れない。きっと脳が現実の受け入れを拒否してしまうのだろう。
 健吾が目撃したのは、見た事も聞いた事も無い飛行物体だった。まるで鳥が翼を広げた様な形。表面はメッキ処理を施したような光沢が夜の闇と僅かな街明かりを映し、鈍色に見える。それが淡い雲に覆われたまま、音も無くレールの上を滑るようにまっすぐ、ブレる事無く進んでいた。

「ちょっと待てよ……」

 そんな言葉が思わず口をついて出て来たが、無論の事、飛行物体が止まるはずも無い。ワケも分からないまま飛行物体がやって来た方角に目をやると、いつもなら灯っている民家の明かりが消えている。翻って飛行物体の方を見てみると、この飛行物体の真下にある民家の明かりや街灯の類が、次々と消えていっているのが見えた。
 民家のまばらなエリアだが、ぽつぽつとある明かりが消えていけば、幾ら何でも不自然さ極まれりだ。その光景に空恐ろしさが沸いてくるのだった。そして現実離れした恐怖の中で、健吾は自分のケータイも同様の現象に巻き込まれたのだと確信した。他に原因などあろうはずがない。
 意外な事に道路を走る車からは、この飛行物体は見えていなかった。周りを覆っている雲状の物体のせいで、遠目には小さな雲が流されているだけに見えるのだった。
2
最初 前へ 1234567 次へ 最後
ページへ 
ページの先頭へ