カルテット~少年と獣たち Vol.2
カルテット~少年と獣たち Vol.2
成人向完結
発行者:とりさん
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛
シリーズ:カルテット~少年と獣たち

公開開始日:2013/10/29
最終更新日:---

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カルテット~少年と獣たち Vol.2 第2章 1 黒崎
 彼は自意識が強い。過ぎればナルシストだ。その一方で、私には彼がすでに同性愛傾向を持っていることに気づいていた。ただ、自覚はないかもしれない。私に本当は甘えたいという素振りと、無遠慮に抱き合ったり組み合ったりじゃれあったりする男子二人組みへの視線に含まれる羨望。それらはどこか、超然と一人でいないで、ただ親友がほしいのだ、というありふれた心情とは違ったものが含まれていた。

 彼はこの学校からほど近い私立小学校から、ちょうど年度替わりの時期ではあるが、校区違いのこの公立小学校に突然編入してきた。

 しかるべき事情があるに決まっていた。私はゴールデンウィーク前の通常の家庭訪問時、わざわざ彼の家の日だけシフトを一人だけにしてしまって、彼の家にじっくりと居座り、事情を聞き出そうとした。

 古い家柄で、祖父は大病院の経営者。父は養子であるが跡継ぎと目される医師、母親も元女医だ。彼らはただの教員なら上からしかものを言わないだろうが、私は元大学教員で、本をいくつか書いてメディアにも名前を知られている人間だ。好みのやり方ではないが使える肩書きは使う。翔の母の驚くほど俗でくだらない価値観につきあいながら、彼の秘密を探った。脅しもすかしもした。一種のブラフだが、
「今度今の学校で大きな問題を起こしたら、本当に立ち直れないかもしれませんよ。ほとんど初対面の状態で私を信じろというのも難しいかもしれませんが、よく事情を知らずに、私だって失敗したくない。彼のためだけでなくクラスや私自身のためにも、ある程度(私学をやめた事情を)きちんと話していただきたいのです」
 などと言ってみた。

 翔の母は、さんざん迷った末、夫と相談して、話せることは話す、と言った。

 結果、翔の父母と三者で話すことになったのだが、その内容の興味深いことといったら。

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