カルテット~少年と獣たち Vol.2
カルテット~少年と獣たち Vol.2
成人向完結
発行者:とりさん
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛
シリーズ:カルテット~少年と獣たち

公開開始日:2013/10/29
最終更新日:---

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カルテット~少年と獣たち Vol.2 第8章 7 黒崎
 私は、翔が大のことを気にかけているのを知っている。最初は羨望とあこがれ。有能とは言えないかもしれないが、自分にはないものをたくさん持っている彼への強い関心だ。私はそこにすでに、性的なものが含まれていると直感している。そのあたりはゴールデンウィークに、もう少し深くつっこんでみよう。

 誘いをかけた翔は、なかなか返事をよこさなかったが、午前授業の終了後、理科準備室に用具をしまう係の一人に指名し、うまく二人きりになるとやっと、
「あ、あの、先生……本当に遊びに行ってもいいですか?」
 と後ろから聞いてきた。
「もちろん! お母さんの許可はもらった?」
 とふり向いて方を抱き微笑みかけてやる。しっかりしていても幼い顔に、彼なりに嬉しそうな表情がひろがるのがわかった。
「いえ、まだですけど……」
「でも旅行とかはないんだね」
 翔はうなずいた。
「よし、前も言ったけど他の子もいるみたいな言い方でね。ただし他の友達の家に行くみたいな嘘はダメ。昼過ぎに○○駅においで。もしダメなら電話しな。携帯にね。これ番号」
 私は一方的に押し切るように話を進め、電話番号以外何も書いていないメモを渡した。翔はそれを見て、握って、珍しくはっきりとした笑みを私に見せて(とても愛らしかった)、駆け去っていった。
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