カルテット~少年と獣たち Vol.2
カルテット~少年と獣たち Vol.2
成人向完結
発行者:とりさん
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛
シリーズ:カルテット~少年と獣たち

公開開始日:2013/10/29
最終更新日:---

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カルテット~少年と獣たち Vol.2 第8章 7 黒崎
 ゴールデンウィーク初日、四月二十九日は日曜だった。土曜日はと言えば父兄参観日を入れてあって、日曜からは代休を含め五月六日まで続くという大型連休。
 父兄参観日、まだ二年生で、しかも最初の参観日だから、大半の家庭で父か母のどちらかは来ていた。最近の傾向でけっこう父親も多い。大のところは父子家庭だから当然だ。すごい巨漢の髭面で、「漢」と絵に描いたような父親だった。そのわりに化粧臭い婦人がたに囲まれて、小さくなっているあたり、ちょっと愛嬌があって、外見は似ていないが息子に共通した何かがあると感じた。一方の大は参観日だというのにテンションが上がることも緊張もなく、ぼんやりとしている。驚きを演出する理科実験を見せても、この子はせんがない。まわりの子の話(二年生だからなかなか意味不明な言葉の奔流から意味を探り出さなくてはならない)では、一年生の時はおっとりはしているがもっと明朗快活な感じだったらしい。二年に上がってからか、その少し前か、何かあったろうと思う。気になってはいたが事件を起こすわけではないので後手に回っていた。そのうち家庭訪問して探りを入れよう。虐待までいかなくても、あの、息子を溺愛しているという父親が、多忙になって家では大が独りぼっちだとか、そういうことはあり得る。経済状況の悪化も、あり得る。教師としてもそうでない私としても、そうならそうでやるべきことがある。
 翔の両親は来ていなかった。形だけでも来ないと逆に目立つのに、外聞を気にするあまり、というところか。もちろん翔は取り澄ましていつも通りのしっかりとした授業態度だ。でも過度に目立ちたくない彼を、私は一度だけは参観授業で指名した。
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