vol.2「亜美通信」7月特大号
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発行者:桜井亜美 AMI SAKURAI
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公開開始日:2013/08/27
最終更新日:2013/09/11 12:57

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vol.2「亜美通信」7月特大号 第1章 桜井亜美から極彩色のトキメキをお届けします!
誰もが言う。



 結婚する時は、昔の彼からもらったプレゼントや一緒に撮った写真は捨て



るのがルール。もし夫に見られたらまだ忘れられないのだと疑われて絶対



 気きま ずくなるから、トラブルの種は早めに捨てるに限る、と。



 あたしがそのルールを破ったのにはちゃんと理由がある。



 あたしはまだフジが好きだ。



 好きで好きで好きで、どうしようもなく好きだ。



 10年の長い時間、ずっとフジだけを見つめて生きていた。



世界の真ん中にはいつもフジがいた。



 なのに他の人と結婚したのは、あの時、それしか怒りと悔しさと淋し

 

さを癒す方法がなかったから。フジが妊娠させてしまった相手を冷血



に捨てるなんてできない性格だとよく分かっていた。



 たとえフジがあたしを一番に考えていてくれたとしても。



 だから、一生、傷痕が膿むような惨めな思いをする状況からハ



ギとの結婚という方法で逃げたのだ。



 つまり最悪の卑怯者。



 大人ならこういう。お前は自業自得だ。フジと鈴が結婚するのは仕方



 ない、それが運命の巡り合わせだ、と。



 でもあたしはまだ大人じゃない。一生、大人にはなれない。



 だからそんな運命なら、粉々にぶっ壊してやる。



                               (続く)
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