死にたい女と逃げたい女
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発行者:mira.p
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ジャンル:その他

公開開始日:2013/08/08
最終更新日:---

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死にたい女と逃げたい女 第1章 血の気
しかし私は振り返ってしまった。
すぐにまた空の方に視線を戻したが動揺した。

灰皿のそばで女が立っていた。間違い無く私に気づいている。一瞬だったが顔を伏せているけど私に気づいて驚き動揺している事が伺えた。

ふと、頭によぎった。
私が今この瞬間飛び降りてしまえば、この恐怖に怯えている女性は私のせいで一生トラウマを抱えてしまうかも知れない。

ただ私が死にたいだけなのに、何の罪もないこの人の人生まで傷つけてしまうのか。

それと同時にこんな事を考えている暇があったら飛び降りてしまえばいい。どうせ手を離せば他人の心配なんて関係ない。

全てが終わるのだから。


しかしそれは出来なかった。この場所に来たときのあの落ち着きはすでに私には無いのだ。

手すりを掴んでいる腕な力を入れた。
何故ならもうすでに先ほどとは違い恐怖を感じているからだ。もし彼女が話しかけてきたらその声と同時に驚いて手が滑ってしまいそうだ。
足元も震えている。顔が熱くなり、手の平から汗が滲み出てくる。

春の生ぬるい風は急に燃え盛る火の中を通っているような熱さに変わった。
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