クリアスカイ
第5章 犯行
城へ行けば、このホームレスまっしぐらな俺を、保護してくれるかも知れない。
いや、「してくれるかも」じゃなくて、するに決っている。
市民あっての国であり、城の人間が1市民を見捨てるような酷い事はしないだろう…。
城まで、それなりの距離はあるけど、金が無い俺は、歩いて向う事にした。
城へ行くには、街を通らなくてはならない。
街は人通りが多いから、嫌だな。
ブライアン達に見付かったらどうしよう…。
引籠り生活を数年繰り返し、人とは会わない生活をしていたのに、
昔ブライアン達にイジメられていた…という、呪縛は切れる事がなく、絡み付いたままだった。
「大丈夫…だ」
と、自分に言い聞かせて歩くけど、人とすれ違うたびに額から汗が流れる。
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