みんな・愛してるよ
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発行者:カオス
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ジャンル:恋愛
シリーズ:大好きだよ

公開開始日:2010/07/21
最終更新日:2012/03/12 22:53

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みんな・愛してるよ 第96章 第九十六話 俺の弟
「どうかしたの? 竜哉」優しそうな声。何処からともなく空気に緊張が走る。
「良かった。僕授業中なんだけど美優がいつものように泣き付いてきてさ、この人達が居るから帰れないんだって。お爺ちゃんどうにかならない? 」俺達二人は声が聞こえた途端に緊張の糸を解いた。
「それで僕の孫に何か用? 」ここら辺一帯で知らない人は誰一人として居ない筈だ。
だって色んな逸話が語継がれる程凄いんだって亮輔お爺ちゃんが話してくれた事がある。
「ワレ(お前)も呼んどらんのじゃ! 」振り返った瞬間にグラサンの動作が停止した。
心の中では俺も道也は大笑いしたかったんだけどそんな事したら後が怖い。
懲りずに何度も来る人間なんてごまんと居る。
「これは失礼しました。すんません。優夜さんのお孫さんとは知らず……」いきなりペコペコし始めた。
コレもまた面白い。
優夜お爺ちゃんの逸話は何個か知ってる。
ヤクザ百人を一人でなぎ倒したとかゾンビの様に生き返ったとか言われてるから誰もお爺ちゃんに立付けないんだ。
だって殺しても生き返って復讐なんてされたら誰でも怖いでしょ?
だから優夜お爺ちゃんにはヤクザだって立て付かない。
「何で美優に用事があったんだ? 言ってみなさい」威厳だけが通る声音。
「うちの妹が昨日美優君に振られたらしくてどんな奴…いえ、どんな子かと思いまして……」お爺ちゃんに比べ、おどおどし始めるグラサン。
もう可笑しくって可笑しくって必死に口を押さえて笑いを堪える僕達。
「そんなの毎日だよ。美優は人の感情とか恋愛に対して敏感すぎるんだ。その位許してやって」笑いを堪えながら逃げ道を作ってあげる。
僕だってお兄ちゃんであって、鬼じゃない。
お説教が始まる前に逃がしてあげようって思っただけ。
グラサン達も悪気があってきたわけじゃなさそうだしね。
僕の言葉の意味が判ったのかグラサン達はそそくさと逃げ去っていった。
残された僕と道也は優夜お爺ちゃんに三十分位お説教を喰らったのだった。
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