みんな・愛してるよ
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発行者:カオス
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ジャンル:恋愛
シリーズ:大好きだよ

公開開始日:2010/07/21
最終更新日:2012/03/12 22:53

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みんな・愛してるよ 第9章 第九話 消えた優夜と消えた恋心
大切な声。
忘れちゃ駄目な声。
一番大切な何か。
そしてそれに自分の命を掛けてもお釣りが来る位高くてそれこそ安っぽい僕の命なんかじゃ買えない声。
そしてそれは二度と手に入ることの無い声。
向けられる愛情の言葉をその口から一度も聞くことは無いだろう。
自分が望んだ愛情をあの口が語ることは二度とない。

「りょ…りょう・・・りょうす・・・りょうすけ・・・亮輔? 何処に行くの? 僕も連れてって・・・僕を見捨てないで・・・嫌いにならないで・・・お願いずっと一緒に居させて。隣に居させて。もう何も望まないからずっとずっと隣に」優夜の口から静かな言葉を紡がれたとしても、彼にその言葉は届く事無く消えていく。
ボロボロと泣きながら言った言葉は誰かが亮輔に伝えてくれるだろうか?
それともそのまま消え、誰にも聞かれずに亮輔が知る術は何一つ残されないのだろうか?
声を殺して泣いているわけじゃない。
声を殺さずとも苦しみや辛さで嗚咽も声も出ないのだから。
(そっか。人って極限の悲しみだと声も出ないのか。僕はもう亮輔の隣に居れないんだ。あの腕に抱きしめられる事は無いんだ。永遠に……)

そして僕の体は寝たままどこかに運ばれる。
車の振動と隣で啜り泣く嗚咽とそして懐かしいぬくもりがあった。
車はやがて何処かに着き、誰かの冷たい手が僕を抱える。
車の中で聞いた嗚咽も僕の傍を離れずについてくる。
なんだか懐かしい匂いがしてフワッと僕を寝そべらす。
冷たい手は何処かに消えて行き、僕の頬を今度は湿った暖かい頬が僕の頬に触れる。
懐かしいその温もりを僕は誰だか知ってる気がした。
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