みんな・愛してるよ
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成人向アフィリエイトOK
発行者:カオス
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ジャンル:恋愛
シリーズ:大好きだよ

公開開始日:2010/07/21
最終更新日:2012/03/12 22:53

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みんな・愛してるよ 第78章 第七十八話 風邪と羨望と……
教室に入って教科書を引き出しに入れてると声を掛けられる。
「優輔君おはよう。一昨日大丈夫だった? もし嫌なこと言われたら言ってね? 私達が先生に言ってあげるから」活発でボーイッシュなショートカットに揃えられた彼女はクラスメート。女子の中では一番男子の中で付き合いやすい女子なんだ。
僕ともよくお話したりするけど、やっぱりお父さんの事は言えない。
別にお母さんが居なくて恥ずかしいから言いたくないって事じゃなくて、お父さん達の事悪く言われたくないから言わない。
「今度優輔君のお家に遊びに行ってもいい? あたしの友達連れて」結構前から言われてたんだけど今まで断ってばかりだったんだ。
お友達呼んじゃうとお兄ちゃんが忙しくなりそうな気がしたから。
「んとね、もう少し待って。家族に聞いてみるから」今回も毎回言ってる言葉で延期をお願いする。
友達も一緒って殆ど女子ばかり来そうで怖い。
参観日は何故か教室ではなく一階にある視聴覚室で授業するんだって。
それも国語。変だよね? なんて話をしていたら朝の会のチャイムがスピーカーから流れてくる。
朝の会も連絡だけだから手早く済み、先生が僕の名前を呼ぶ。
先生の机まで行く。
「優輔君。授業参観日の日だけど、ご両親かお兄ちゃんいらっしゃる? 」
プリントを無くしたとも言い出せず多分誰も来ないだろうと思ってる僕は素直に答える。
「誰も来ないと思う」醇ちゃんは別のクラスだから少し位だったら康宏おじちゃんも覗きに来てくれるかなと思うけど、その後は醇ちゃんのクラスに戻るだろう。
「そう。ありがとう」そのまま自分の席に戻って前の席に居る隆文君とお話しする。
授業が始まると隣のクラスが五月蝿《うるさ》かった。
そう。醇ちゃんのクラス。
子供達の叫び声と机を引きずる音。先生が怒鳴る声。
筒抜けで僕達のクラスも授業所じゃなかった。
一日中、醇ちゃんのクラス五月蝿かったと思いつつ帰り道で優夜お父さんの病院に行く。
「お父さん来たよぉ」ノックをした後で中に居るだろうと思ってるお父さんに声を掛け、ドアを開ける。
ベットに居るはずのお父さんの姿は無く、仕方ないからベットの横にある椅子に座って待つ。
一時間くらいしてドアが開き、優夜お父さんが帰ってきた。
何故か一杯の汗をかいて。
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