みんな・愛してるよ
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発行者:カオス
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ジャンル:恋愛
シリーズ:大好きだよ

公開開始日:2010/07/21
最終更新日:2012/03/12 22:53

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みんな・愛してるよ 第77章 第七十七話 頑張りと優しさ
皆の料理が来ると、優夜お父さんは何故かハヤシライスの上にもやしのバター炒めと秋刀魚の塩焼きを半分乗せる。
何故か家では秋刀魚ともやしだけは食べなかった亮輔お父さん。
「ちょ! 優夜」何だか亮輔お父さんの顔に翳《かげ》りが出る。
「駄目! 優輔にはちゃんとお小遣い一ヶ月減額言い渡したけど、亮輔にはまだだったもんね? 」顔は笑ってたけど、こめかみがピクピク動く。
「一体何の……」言いかけてた言葉を遮るように優夜お父さんが続ける。
「当然! 一昨日の学校の件を僕に伝えなかった事の罰! 」指を一本立ててはっきり言い切った。
項垂れる亮輔お父さんと何だか楽しそうにご飯を食べてるお兄ちゃんにいつも通りチーズが乗ってない部分に広げようとする僕。
初めて家族全員揃ってする外食はとっても楽しかった。

家に帰り着くと優夜お父さんは一階の客間に布団を敷いてそれぞれの部屋に戻っていく。
参観日のお手紙を渡し忘れてた僕はこっそり自分の部屋を抜け出して枕とプリントを持って階段を降りる。
何故か点いていた一階の明かり。
そして何かが倒れる音。
驚いて階段を駆け下りようとした時後ろから抱えられた。
振り返り怒ろうと思ったら亮輔お父さんが辛そうな顔して首を横に振ってる。
そっと階段を椅子の代わりに座って小声でゆっくり話してくれた。
「優輔。何でお父さんが止めたか判るか? 」聞かれた言葉に対して素直に首を振る。
「優夜お父さんは優輔に見られたくないと思うんだ。当然克俊にも。そして俺にも……」
「何で? だって倒れてるんだよ? 家族でしょ? 助けなきゃ」だんだん溜まり始める涙。
「家族だから助けない。一人で乗り切らなきゃいけない事って生きてれば一杯ある。優夜お父さんは今その時なんだよ」僕の頭に手を置いてがしがしと撫でてくれる。
頬を伝わり始めた涙を亮輔お父さんが拭うと言葉を続けた。
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