みんな・愛してるよ
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発行者:カオス
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ジャンル:恋愛
シリーズ:大好きだよ

公開開始日:2010/07/21
最終更新日:2012/03/12 22:53

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みんな・愛してるよ 第8章 第八話 一人の恋路と一人の決断 そして一人の旅立ち?
家族と言う絆を失くしてしまったら只の他人に戻る。
それも僕は怖い。
他人に戻ってしまえば会う機会がこつぜんと無くなる。それがまた堪えられないのだ。
(これもやっぱり僕の我侭だよね。お母さんの恋路邪魔して自分だけ幸せになろうなんてずるいよね)
「僕、家出ちゃ駄目かな? 」誰にも届かないようにと願いながらポツリと零す。
それこそこの二人を苦しめる言葉だと知っているからこそ届かなければいいとさえ思ってしまう。
ただ、どうせ他人に戻るのも嫌で家族としても嫌ならばせめて、お母さんの恋路は邪魔しちゃいけない。
そして僕はここで亮輔と家族として過ごす事も無理だろう。
それならば、いっそ亮輔に会わない様にしないと自分の気持ちが我慢できないとさえ今では理解できる。
「どうしたの急に? 何かあった? 」
聞こえてたんだ。ごめんなさい。我侭な子供で。
「何でもない。そうだ! 今日は国久と遊ぶ約束してたから行ってくるね」顔を振り上げニッコリ笑いながら自室へと戻る。

(何しにリビングに行ったんだろう。そっかこの結婚ぶち壊そうとしてたんだ。僕って馬鹿? お母さんの結婚ぶち壊しでもしたら亮輔に会う理由も無くなっちゃうのに)
亮輔が目を覚まさないように静かにドアから入り、パジャマから私服へと着替える。
(亮輔。バイバイ。それとごめんなさい。やっぱり僕はここに居れない。義弟ではいれないから。そんなの無理だから。いつか僕の恋する気持ちが無くなった時、もし生きてたら戻ってくるね。そんな事一生掛かっても無いかもしれないけど)静かに顔を寄せもう一度だけ唇を重ねる。今度は一瞬などではなく、最後の時を愉しむようにゆっくりと。

部屋を出る時も亮輔が目覚めないよう、細心の注意を払い部屋から抜け出す。
(これからどうしよう。どこかに当てがあるわけじゃない。かと言って生活するだけのものも持ってない。でも、ここから出ないと駄目だから)
リビングのドアを開け、行って来ますとだけ明るく言うと行ってらっしゃいと明るく返ってきた。元々母は明るくサバサバしてるので、あんまりしつこく聞きはしない。
話したくなったら話すだろうしという考えのもとらしい。
それが今の僕にとって、救い以外の何者でもない。
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