みんな・愛してるよ
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成人向アフィリエイトOK
発行者:カオス
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ジャンル:恋愛
シリーズ:大好きだよ

公開開始日:2010/07/21
最終更新日:2012/03/12 22:53

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みんな・愛してるよ 第57章 第五十七話 理解
ロビーから三人の話し声が聞こえてきた。
声の主は康宏と国久。もう一人は……
僕が忘れたくても忘れることなんて出来ない大好きな声。
久しぶりに聞くその声は涙が出る程切なくて愛しくて今すぐにでも飛び出して行きたくなる位懐かしい。
「国久の馬鹿。何で…なんで……何にも話してくれなかったんだよ。どうして」嗚咽を漏らしながら聞こえてくる声はもう聞き慣れている康宏の声。
そっと壁の隙間から覗くと国久が康宏抱きしめている。
「ごめん。俺が悪かった。もう絶対お前の傍から離れないから。ごめん」
そっと耳元に囁くように優しく言う国久の隣に康宏は必死に掴んだ服を離さない様に縋り付いてる。
二人の奥に一人ポツンと座ってる亮輔の姿が見えた時一筋の涙が僕の頬を伝って地面に落ちた。
(亮輔。少しやつれてる。ちゃんとご飯食べてるの? ちゃんと眠れてる? 僕が居ないからってダラダラしてたらダメだよ? もう亮輔の隣には僕が居ちゃいけないんだから……)そっと壁から離れそのまま階段を下りていく。
一階に着いても涙が頬を伝っては地面に足跡を残す様に落ちる。
病室に戻ってたら亮輔が来るだろう。
亮輔の甘いテノールもっと聞けるかもしれない。
もっと聞いていたい。
ずっとずっと僕だけに囁いて抱きしめて欲しいと願ってしまう。
でも、もうその願いは永遠に叶う事は無い。
亮輔は僕の隣から居なくなっちゃったんだから。
もう僕は亮輔から捨てられたから。
そっと病院を抜け出してとぼとぼ一人暗くなった街を歩いて行く。
昔に比べて人の数は増えている道を人ごみを掻き分け、彷徨う。
ずっと涙は止まらず嗚咽は酷くなり息苦しさや眩暈さえ感じる。
手足の痺れまで出始め、辿り着いたのは亮輔と初めて会ったホテル前だった。
それ以上歩く事が出来なくてホテルの壁を背もたれにして地面に座り込む。
お金も無く何も無い。
何よりも亮輔が隣に居ない。
僕に唯一あったのは着ているパジャマと亮輔への止める事の出来ない愛情だけ。
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