みんな・愛してるよ
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成人向アフィリエイトOK
発行者:カオス
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ジャンル:恋愛
シリーズ:大好きだよ

公開開始日:2010/07/21
最終更新日:2012/03/12 22:53

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みんな・愛してるよ 第55章 第五十五話 優夜と康宏の涙
十件も掛けてきた迷惑な人は誰かと見てみたら、康宏が十回も掛けてきていた。
何かが変。
亮輔の嘘のメールに康宏の十回不在着信。
何かが僕の中で狂っていく。
会社を出るとそのまま康宏に電話すると、ワンコール鳴り終わるまでに康宏が出て、矢継ぎ早に伝え始めた。
「優夜兄ちゃん? 良かった。繋がらないかと思っちゃった。今ホテル街にあるラブホテルの駐車場に居るんだけど、国久と亮輔兄ちゃんが入ったまま出てこないの。ここ最近帰って来ないから変だと思って後をこっそりつけてきたらここに二人共入っちゃって」心細かったのだろうか声がだんだん涙が混じったように静かに嗚咽し始める。
とりあえずそのままにしておくわけにもいかず、僕の住む家に来るように伝えると電話を切り、僕は家に向かってひたすら走って帰っていく。

家に着くと康宏は玄関の前にうずくまり、膝を抱えて泣いていた。
そっと肩を掴むと過剰に反応してゆっくりと重い顔を僕に向けてくる。
康宏の顔は何時間も泣き腫らせて目は兎の様に赤く染まり、頬は涙の跡を刻銘に伝えてくる。
張り付いたサラサラで綺麗な髪も額や頬に張り付いて必死に走ってきた様子が目の前で見えてくる気がしてしまう。
そっと家に招き入れるとリビングのソファーに座らせ康宏の一番好きな紅茶をティーカップに注ぐ。
僕まで取り乱してしまったら康宏がもっと不安がってしまう。
だから僕がもっとしっかりしなきゃと緊張の糸を自分の中で張り詰める。
「康宏。これ飲んだら少しは落ち着くよ。ゆっくりでいいから話聞かせてくれないかな? 」
そっと康宏はティーカップに手を伸ばすとゆっくりと飲んでいく。
落ち着いてきたのか三十分もするとゆっくり俯いていた顔を上げ、何かを決意した様に口を開くが何も言葉を紡ぐ事もなくまた塞がれる。
それを僕はただ何も言わず話してくれる状態になるのをじっと待ち続けた。
ここで急かしてしまえば落ち着かせた意味がない。
早く聞きたいのは山々だが、その焦燥感は康宏の不安を煽る以外に何も与えてくれるものではない。
そして僕の中で未だに闇の中に引きずり込まんと構えている何も無いただ単の闇の霧も大きな口を開けて待っているのだ。
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