みんな・愛してるよ
第50章 第五十話 拭えない過去
亮輔はこの夜空を見ながら何を想っていたんだろう?
何を考えていたんだろう?
過去を振り返っても無駄なのかもしれない。
でも、僕は知りたかったんだ。亮輔が想った気持ちを。知らなきゃ駄目な気がしたから。
闇に光を届けている満月を見つめ考える。
考えたとしてもわからないかもしれないけど、知りたいと望んだのは僕自身。
(亮輔。亮輔はこの満月見ながら何を想っていたの? やっぱり痛かったよね? 苦しかったよね? 辛かったよね? )涙で歪む満月。
ゆっくりと流れ続ける雲。止まる事をしらない涙。
何も知らず、のほほんと過ごしてた僕。
自分に腹が立ち、歯痒くて、悔しくて。
でも謝れない意地っ張りな僕。
考えれば考えるだけ闇に飲み込まれてしまう程、弱すぎる僕自身。
自分が弱いからいつまで経っても亮輔を苦しめ続ける。
何時間、堂々巡りを続けたかわからないけど、いつの間にか空は、ほんのり明るくなっていた。
そっと部屋を出て亮輔の隣に行くとベットに潜り込む。
亮輔のシャツにしがみ付いて声を出さないように泣いてたら、眠りの泉に沈んでいた。
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