みんな・愛してるよ
第24章 第二十四話 国久の隠し事と真実 優夜の恐怖と理解
「どきなさいよ! のろま! 」僕の胸を思いっきり押して無理やりどかそうとする。
これ以上馬乗りになってても仕方ないからドッコラセと掛け声を掛けそうな勢いで立ち上がる。
「ぶふっ・・・」急に下で何か音がしてそっちを向いてみるとさっきまで顔があった場所には、足が乗っかっていた。
「おめーよー。優夜のことさっき何て言った? あぁー? 」またまた出ました。
般若の仮面。
国久が今日で何度も怖い顔するから慣れてきちゃった。
僕にとってはもう怖くは無い。
だって僕にとってはいつもの国久だから。
「国久? その位でやめてあげて。これでも僕の生みの親らしいから。って僕の方が酷い事してたか」無理やり国久の怒り静めてもらうんだからタダって訳にはいかない。
国久は僕のためにココまで来てくれたんだから。
「国久。少しだけ頼んでいい? ここで、少年居たんだけど、その子を傷付けたやつ居るの。その人たちどうにかして。自分の事よりもそっちの方が許せない。でも、タダでして欲しいって言っても嫌だよね? だから……」そっと国久の頬っぺたにキスをする。
通帳無いし、携帯も無い。
だからお金ない。
お金で払うわけいかないからホッペにキスで許してね。
「…………え? さっき何した? もしかして…キス? 」国久ってば目が点になってる。
それもそうか。だって僕には亮輔っていう立派な彼氏付だもんね。
「亮輔にばれたら怒られるな。もしかして別れ話とかされちゃうわけ? ヤダー。あ、何か泣きたくなってきた」さすがにこれは確実に亮輔に対しての背徳行為? でも、許せないものは許せないし。
頭の中グルグルしながらそのまま蹲って頭を抱え込む。
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