みんな・愛してるよ
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成人向アフィリエイトOK
発行者:カオス
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ジャンル:恋愛
シリーズ:大好きだよ

公開開始日:2010/07/21
最終更新日:2012/03/12 22:53

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みんな・愛してるよ 第22章 第二十二話 謎の少年
何度も弾と先生と僕の二人と一つで鼬の追いかけっこを繰り返し、一時間後にやっとで抜けた。
ピンセットごと床に落として痛みに最後まで堪えてくれた肩をそっと抱きしめる。
両腕を支えられ、僕はそのまま入院することになった。
当然警察に事情聴取を受け、全て詳細を話す。


その日の夜、少年は帰る場所がなくてベットの空きがなく僕と一緒に寝た。
少年は少しずつ僕に打ち明けてくれた。

自分はあのヤクザの家で生まれて名前も戸籍も何も無いこと。
何も頼れる人も居ないし、今まで誰も頼ってなかったこと。
初めて僕が連れ出すまで皆自分だけ逃げて行ったこと。
その後のヤクザの取ってた行動。
刃物で切りつけ彼の体には生々しい傷跡がいくつも走っていた。
その一つ一つの傷跡は一人ずつ逃がした時につけられた傷跡ということ。
皆助けに戻ると言いながら誰も戻ってきてはくれなかったこと。
この少年はどれだけ心に傷を持ってるのだろう。
どれ程一人で泣いていたんだろう。
この小さな体にどれだけの痛みを感じてきたんだろう。
その日は寝れなかった。
少年の頭を静かに撫でながらずっと泣いてた。
堪えられなかった。
少年の痛みが。
苦痛が。
苦しさが。
切なさが。
寂しさが。
ずっと夜が明けるまで静かに寝息を立てる、その少年に僕は尊敬していた。
強いと。
何よりも誰よりもどんな人間よりも遥かに強いと。
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