メトセラの仲間たち - 新進画家に復讐してください -
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発行者:海原 灯
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛
シリーズ:メトセラの仲間たち

公開開始日:2013/07/18
最終更新日:---

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メトセラの仲間たち - 新進画家に復讐してください - 第2章 青く光る石のペンダント
 信じられないっ。人がせっかく、お礼の気持ちを込めて、ケーキ出したってのに、あの言い方っ!!
 もっと素直に、ありがとう、て言えない訳!?
 血の繋がりのない、赤の他人で良かった!…と、本気でそう思いながら、セリエルは、キッチンで、他の皿を洗い、残った仕事を片した。
『ここへ置くからには、家事はもちろんのこと、オレの言うことも聞いてもらう』
 気がつくと、セリエルはこの家に居て、目の前で腕を組むアルファロから、助手を強制された。
 昨晩から姿を晦まし、雪の降り積もった街路を、ずっと、キラキラを探し求めて彷徨ったのは、毎日、家の中で小間使いのように働かされてきたセリエルの、ちょっとした反抗…プチ家出だった。
 要は、セリエルは、キラキラさえ集めれば、もうここには用がないのだから、だから、とっとと集めて、記憶を取り戻して、自身の帰る場所へと帰ろうと、そう企んだだけだったのだが、置き手紙も何もせず家を出たのは、正直、アルファロへの当て付けだった。
 セリエルは、10歳を越えた辺りだろうか。見た目は、普通の少女だった。名付け親はアルファロなので、本名は不明だが、訳あって、この家に置いてもらっていた。だから、何の血の繋がりもないアルファロが外で保護者面するのは仕方がないのだが、家の中では、人を顎で使う、主従のような関係だけに、どうしても良い顔ができなかった。
 食べさせてもらってるだけに、必要以上には強気に出れないのが、痛い。
 そんな風に憤ってる横で、薄っすらと、影ができるのも気づかずに。影はやがて、人の形を取り始め、上部に、さっき消えたはずのオルレイン伯爵の顔が浮かんだ。
「おいしかったってさ」
 急に左手から人の声がしたものだから、セリエルは手を滑らせ、持っていた皿を湯を張ったシンクに落とした。
「ひっ、びっ…、びっくりした! おじいさんっ!? もぉ、急に出ないでよ!!」
 おいしかったって…、何!?
「帰ったんじゃなかったの!? さっき、いなかったのに」
 相手が幽霊だとは気づいてもいないセリエルは、伯爵がまだ家の中にいたのだと理解した。
 そう、セリエルも、アルファロと同様、幽霊が見える体質だった。生き人と死人の区別がついていないのが、哀しいところだが。生き人の身体を担げる幽霊だ。死人だと解る方が、珍しいのかもしれないが。
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