メトセラの仲間たち - 新進画家に復讐してください -
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発行者:海原 灯
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛
シリーズ:メトセラの仲間たち

公開開始日:2013/07/18
最終更新日:---

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メトセラの仲間たち - 新進画家に復讐してください - 第9章 デュマの復讐
 セリエルのツッコミには、サマンドは、そうね…とおかしそうに苦笑して同調した。
 アルファロの気持ちを考えて、モデルを頼めるのは今日ぐらいだろうと、それから夕方すぎ…外が暗くなるまで、サマンドはみっちりとセリエルの肖像画を描ききった。デッサン画ばかりだった絵にも、色を乗せるようになり、大体の人物画の要領を得ていく。デュマを描いたっきりだったせいか、苦手意識が先行していたが、画家として一定の技量を身につけた今の自分には、コツさえ掴めば描けるものだと、ある程度の自信へと繋がった。
 それでも、やっぱり、これからも、人物画は好んでは描かないだろうけれど…。
「うん、これぐらい描ければ、十分ね。お疲れ様、セリエル。本当にありがとう」
 言って、サマンドは晴れやかな笑顔を覗かせ、ぐったりしているセリエルを労った。
 ちょうどその時だった。
 部屋の玄関扉が、何者かによって叩かれ、サマンドが席を立つ。
 完成した自分の肖像画を見て、セリエルは目を見開き、感動した。
 これ、あたし!? …綺麗…。
 可愛いというよりも、どことなく綺麗な雰囲気で、恐縮してしまった。そんなセリエルの元に、血相を変えて、サマンドが戻ってくる。
「どうしたの!?」
 理由を知って、セリエルも血の気が引いた。
「アトリエが、火事だって!」
 暖炉の火を消すと、2人揃って、急いで外へと出る。玄関を飛び出したところで、白いコートを羽織ったアルファロの、厳しい顔つきに出迎えられ、セリエルは息をのんだ。
「アルファロッ!?」
 火事の報せをもってきたのは、彼だった。
「遅いから、セリエルのこと迎えにアトリエに行ったんですって。そうしたら火事で…。あたしたちがいなかったから、自宅だろうって、駆けつけてくれたの」
 サマンドが言いながら、青いレンガ造りのアパートの階段を、先頭を切って、急いで降りる。
 来た理由まで話さなくって良いのに…といった感じで、バツが悪そうに、鈍く動き出したアルファロを、少し上目遣いにセリエルは見た。
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