メトセラの仲間たち - 新進画家に復讐してください -
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発行者:海原 灯
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛
シリーズ:メトセラの仲間たち

公開開始日:2013/07/18
最終更新日:---

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メトセラの仲間たち - 新進画家に復讐してください - 第9章 デュマの復讐
「そう。彼女のは、ケーキもそうだけど、甘すぎないのが、好きなのよね」
 生クリームや砂糖はほとんど使わず、蜂蜜などの自然の甘みや、フルーツの甘みだけで勝負するのが、マイラのこだわりだった。
 セリエルは、サマンドの描きかけの絵を、何枚か眺めながら、1個、シュークリームを頬張った。今さっき見たのは、新しく描き始めたばかりのせいか、ほとんど描けてはいなかったけど、別の紙には、ほぼ全体像を掴んだものや、細部まで描き込み、ほぼ出来上がっているものまである。この絵だけでも、良いんじゃないのかなぁと思いながら、メトセラにいた時分から気になっていたことを、聞いてみた。
「普段は描かないのに、どうして、あたしを描く気になったの!?」
 サマンドが、輪切りにしたレモンをカップから取り出しながら、答える。
「んー…、そろそろ、ね。妹の絵を完成させようかなぁって思って。人物画はね、描くのは、あなたで2人目なのよ。最初は、妹のデュマ。でも、描けなかったの。その描きかけの絵がね、セリエル見てたら、描けそうな気がしたのよ」
 それから、1年半前にデュマが亡くなったこと、今日はそのお墓参りに行っていたことなどを、淡々と話してくれた。
「お互い、素直になれなくて、すれ違ってばかりだったな…。だから、セリエルとお兄さん見てると、羨ましいわ」
 喧嘩ばかりでも、生きてて欲しかった…と、もういなくなってしまったデュマのことを想って、少しばかり哀しそうに微笑むサマンドが、その気持ちが真実なんだと、セリエルは感じた。
 デュマは、やっぱり、誤解してる…。
 愛されてなかったはずがないのに。
 憎むほど、デュマが姉を慕っていたように、サマンドだって、妹を気にかけていただろうに。
 すれ違いが、こうまで、互いの気持ちをブレさせる。
「一緒にいる時は、喧嘩ばかりでも、いざ大人になって離れてしまったら、寂しくなるわよ。常識で完全に身を固めてしまうとね、誰も、心の中には踏み込んでくれなくなるから」
 …。サマンドの言葉は、一理あるとは思ったけれど、アルファロの意地悪な笑顔を思い出すと、セリエルは嫌そうに目を細めた。
「…心に踏み込まれすぎるのも、どうかと思うけれど」
 ちょっとは常識身につけてよ、と言いたくなる。それでなくたって、血が繋がっていない、赤の他人なのにっ。
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