メトセラの仲間たち - 新進画家に復讐してください -
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発行者:海原 灯
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛
シリーズ:メトセラの仲間たち

公開開始日:2013/07/18
最終更新日:---

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メトセラの仲間たち - 新進画家に復讐してください - 第9章 デュマの復讐
「それはまた、過激ね。まぁ…、兄弟って、どこもそんなものだろうけど。たいていは、先に生まれた方が、末っ子をアゴでこき使ったりして」
 フフ…と、サマンドが思い出し笑いをする。
「あたしの妹も、ちょうど今のセリエルみたいに、ツンケンしてたわね」
「デュ…、あ、いや…、妹さんには、やっぱり命令してたりとか、したの!?」
 サマンドはそういう風には見えないんだけど…。
「ううん、あたしはどっちかっていうと、干渉しなさすぎ。一年のほとんどを、家の外をほっつき歩いて、絵ばかり描いてたから。妹には、寂しい思いさせちゃったかもしれない…。たまに帰ると、反発がすごくって。話しかけても、無視されたり、意地悪で靴を隠されたり。急いでる時に限って、悪さしてくれるものだから、あたしも腹が立っちゃって、よく衝突してたわ。今思うと、もっとかまって欲しかったのかもしれないわね」
「妹さんのこと、嫌いだったの!?」
「確かに、嫌いだった時期もあったけど…」
 言いかけて、サマンドは鉛筆で頭をかいた。顔色が冴えない。
 プロの目は容赦なくセリエルを見据えるが、筆は一向に進む気配がなかった。どうにかして、自分なりに掴んだセリエルのイメージをスケッチブックの白い紙の上に再現しようとするのだが、上手く描けずに、何枚も描き直していく。
 描いても描いても、紙の中のセリエルは生き生きしてこず、自信と才能が凹みそうになった。鉛筆を持つ手も重くなっていく。
────────── やっぱり、苦手なんだなぁ…人物画。
 サマンドは、諦めて、鉛筆を机の上へと置いた。
ずっと座って、同じポーズを取っていることに窮屈さを感じてきたのだろう。絵が完成したのかと思って、セリエルがスケッチブックを覗きこむが、アタリをつけて、少々肉付けしただけのデッサン画ばかりを量産してることを知って、首をひねっている。その様がおかしくて、サマンドは照れ笑いした。
「ダメなのよね…、人物画って、昔っから苦手で」
 サマンドは立ち上がると、暖炉の火で暖まった部屋の空気を入れ替えるため、窓を少しだけ開けた。そうして、紅茶を入れなおし、買い置きしていたアーモンド・シュークリームを用意する。
「少し、休憩しましょう」
甘い匂いがして、セリエルの気持ちも一気に和んだ。
「マイラのところの!?」
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