メトセラの仲間たち - 新進画家に復讐してください -
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発行者:海原 灯
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛
シリーズ:メトセラの仲間たち

公開開始日:2013/07/18
最終更新日:---

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メトセラの仲間たち - 新進画家に復讐してください - 第9章 デュマの復讐
 アトリエではなく、青いレンガ造りのアパートの、サマンドの部屋へと直接上がりこみ、ソファに座ること5分。寒い外から転がりこんだせいか、入れてくれたホット・ハーブ・ティーを、セリエルはおいしそうにゴクゴクと飲んだ。
────────── うわぁ、おいしぃ─────。あったか───い。
 そうして、昼が近いせいか、先に軽く昼食を取ってから、2人は暖炉のあるリビングで、向き合った。
「なんだか、妹が帰ってきたみたい。嬉しいわ」
 そう言って顔を綻ばすサマンドに、セリエルは改めて、ごめんなさい、と謝った。
「強引に上がりこんじゃって。他に用事とか、あったんじゃ…」
「ううん、ないわよ。アトリエも休業だし、今日は部屋で、のんびりしようと思ってたから。良かったわ、モデル引き受けてもらえて」
 同じく左手のソファーに腰を落ち着けたサマンドは、隣の部屋から持ち出してきたスケッチブックを開くと、忘れていたとばかりに、肩までかかったブロンドの髪を、ゴムで一つにくくった。そうして、優しいお姉さんからプロの画家の目つきへと変貌していく。
 途端にセリエルが緊張して、何度も聞いた。
「本当に、このままで良いんだよね!?」
「うん、大丈夫。生きている人物の表情とか、感情の動きを捉えたいだけだから。リラックスして」
 そう言いながら、サマンドは、デッサン用の鉛筆を持つと、慣れた手つきで、セリエルの輪郭を、白い紙の中に描き落としていき始めた。
────────── なんか、変な感じ…。
 最初はドキドキしながら、ジッと、真正面に見える白い流木のようなオブジェを見つめていたセリエルだったが、10分、20分と経つうちに、疲れてきた。15時近くになると、目をトロンとさせ始める。
 ね、眠い…。
 サマンドが、その様子に気づいて、苦笑しながら、話しかけてくる。
「お兄さん、今頃、ヤキモキしてるかしらね」
 思い出して、セリエルはムッとした。
「いいんです。あいつの命令ばっかり聞いてられない。いい気味っ」
「お兄さん、嫌いなの!?」
「き、…嫌いじゃ…、ないです、けど」
 お兄さんじゃないんです、とは面と向かって言えない。
「傲慢なの。兄妹じゃなくって、主従の関係。ていうか、奴隷なのっ。はっきり言われたもん」
 言うほどに、しかめっ面になっていくセリエルに、サマンドは、どう反応して良いのか、困った。
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