メトセラの仲間たち - 新進画家に復讐してください -
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発行者:海原 灯
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛
シリーズ:メトセラの仲間たち

公開開始日:2013/07/18
最終更新日:---

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メトセラの仲間たち - 新進画家に復讐してください - 第8章 ルディアンの杞憂
 睨まれて、冷や汗をかくアルファロに、
「鈍感っ」
と言い置いて、マイラは、カウンターから出ていった。
「オレより年上なのに…」
 ボソッとツッコミを入れつつも、苦笑いしながら、かわいそうな友人に、ルディアンはアドバイスした。
「マイラには言えるのに、なんでセリエルには言えないの!?」
 たった一言で良いのに、と。
 問いかけに答えないアルファロに、要は、はぐらかしたかっただけなんだな…と解釈した。そんな複雑な兄の心境など理解できないといった風に、ケーキにフォークを入れると、ルディアンは、それを口に運ぶ。
「今のうちだけだよ、彼女が兄を大切にしてくれるのなんて。そのうち、嫌でもお嫁に行っちゃうんだから」
 想像したくもないことを、不意につきつけられ、アルファロは溜息をついて、席を立った。
 今日は、分が悪いらしい…。
「お前たちの痴話喧嘩に、オレたちまで巻き込まないでくれ」
 代金をカウンターに置くと、そのまま店を出ていくアルファロを、ルディアンが不思議そうに見送る。
「…セリエルって、本当に、妹なのかな…」
 何気なくポツッと呟くと、姿を見せないマイラも、奥から同調しつつ、またオレンジをたくさん腕の中に抱いて、戻ってきた。
「実はそれ、あたしも考えてた。だって、似てないんだもの。学生時分も、妹の話なんて、これっぽっちもしてなかったし」
 年も離れすぎてるしね…と。
「もし本当に兄妹じゃなかったら…なんで一緒に住んでるのかしらね」
 元々、身内の話は、自分からすすんで話すタイプじゃない。アルファロには、それ以上、ツッコんで聞き出すことは無理そうだ。
 それでも、愛情のかけ方が、他人行儀でないことに、ルディアンは乾いた声で笑った。
「本当に、妹じゃなかったら…の話ね」
 そうして、アルファロが放り出したマッチ箱を、その手の中に取り戻すと、手慰みしながらマイラを見て、思い出し笑いをする。
 出会った時から、気になっているのは、彼女のこういう…世話好きなところだったのかもしれない。
────────── やっぱり、似てるな…、レイリアに…。
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