メトセラの仲間たち - 新進画家に復讐してください -
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発行者:海原 灯
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛
シリーズ:メトセラの仲間たち

公開開始日:2013/07/18
最終更新日:---

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メトセラの仲間たち - 新進画家に復讐してください - 第7章 賑やかな尾行
 自分が死んだのは、今から1年半前。今日は、自分の命日じゃない。ただの、月命日…。それは、月が違う、同じ日付というだけの日。墓地の近くに住んでる物好きしか、墓参りなんてしない。両親の墓にだって、あの女は献花してるはずだわ。世間体を気にしてるのよ。それだけよ。
「…形、だけよ」
 成人してからはほとんど会わなくなった姉。その暮らしぶりを知れば知るほどに、復讐したい気持ちが薄らいでいきそうに思えて、デュマは危機感を持ち始めた。
 あたしは、姉さんが憎かったはず。こんな、…死んだ身内の墓に献花するぐらいの善行なら、誰だってするわ。
 騙されないわよ!
 そうして、デュマはキッとアルファロを敵視した。
────────── この男…、もしかして、あたしにサマンドに復讐させるのをやめさせようとしてる訳!?
 疑心暗鬼に陥り、そのままデュマは、フッと、姿をかき消してしまった。
「あ、デュマ!?」
 名前を呼ぶが、彼女は応えなかった。すでに、どこかへと飛んでいってしまったらしい。不安になって、アルファロに、
「こんなに妹のこと想ってるサマンド、本当に復讐するの?」
と問い質すが、彼は答えてくれなかった。
 墓地を出ると、途端に手を離され、ますます互いの心の距離感を感じる始末で、セリエルの気持ちが沈んでいく。
 本当に、家族って…、こんな感じなんだろうか…と。
 だったら、あたしは…、血が繋がってなくて、良かったのだろうか。
 なんだかその先の気持ちを自分でもはっきりさせたくなくて、セリエルは、アルファロから少し離れて、後をついて歩いた。
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