メトセラの仲間たち - 新進画家に復讐してください -
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発行者:海原 灯
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛
シリーズ:メトセラの仲間たち

公開開始日:2013/07/18
最終更新日:---

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メトセラの仲間たち - 新進画家に復讐してください - 第7章 賑やかな尾行
 保護者だからとか、そういう雰囲気が、やっぱりどうも…しない…。というか、自分の親すらも、覚えていない。ずっと最初から1人だったような気がして、それが、他人とは違うと強烈に意識させられる。でも、唯一側に居てくれるアルファロだけは、やっぱり保護者で…。頼もしいのは頼もしいけれど、でも、親とかって、こんな感じだろうか!? 身内がいないから、必要以上に人恋しいのだろうか。甘えてるだけ!?
────────── 嫌だな…。
 自分を軽蔑しそうになりながも、突き放される冷たさの後に、時折見せる彼の優しさが、気になった。
────────── 優しい…。でも、普段は優しくない…。本当は、どっち!?
 恐ろしくてならなかった不気味な墓標が、至る所で、セリエルを待ち構えている。それでも、アルファロと繋がった右手の温もりが、どうしようもない恐怖から、自分を守ってくれているのが分かって、夢中でアルファロの手を強く握り返した。
 目を瞑って、後をついていくが、それでも、瞼の裏に、見えないはずの墓標が浮かんできそうで、身が竦む。
 側では、そんな2人を、あら、仲が宜しくて…といった具合に、羨ましそうにデュマが、少し高い位置から見下ろしていた。
 その直後、アルファロが急に立ち止まった。
「…っ!!」
 背後から彼にぶつかったセリエルは、痛めた鼻を空いた方の手でさすりながら、しっ…と、アルファロが口元に人差し指を立てるのを見つめる。同じように墓標に隠れつつ、その先を窺うと、並び立つ白石の墓標の1つの前で、サマンドが腰を下ろし、積雪を払ったり、持参したロウロクに火を灯したりしていた。献花を終えると、水をやる。そうして、やることを全てやり終えると、墓前で頭を垂れ、黙祷し…、死者との会話を始めた。
 5分くらい、そうしていただろうか。腰を上げると、ゆっくりと立ち去るサマンドを見送ってから、アルファロたちは、気になる墓標の名前を確かめに行った。
 誰のお墓だろう…、そう思ったセリエルの耳に、アルファロの静かな声が響く。
「デュマの、お墓だ」
 見ると、デュマは真顔で、自分の名前が刻まれた墓石をジッと見つめ下ろしている。自分の墓だけが、雪に埋もれてしまった他の墓とは違って、綺麗に手入れされ、行き届いた管理下に置かれていた。
 しばらくして、そっぽを向くが、どうしても苛立ちが募り、焦りを覚え始めた。
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