メトセラの仲間たち - 新進画家に復讐してください -
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発行者:海原 灯
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛
シリーズ:メトセラの仲間たち

公開開始日:2013/07/18
最終更新日:---

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メトセラの仲間たち - 新進画家に復讐してください - 第7章 賑やかな尾行
 サマンドがやってきたのは、この街最大のカナン墓地だった。墓標には雪が積もり、来る者を拒む雰囲気が漂う。いつも以上にひっそりと静まり返っている、その墓地の奥へと続く、所々雪が融けた小道を、サマンドは、ゆっくりと踏みしめていった。後に続こうとしたアルファロだったが、またしても、歩を止めたセリエルの手が、それを妨害する。
「おい…、ここまで来て、何を…」
 そう言いかけて振り向くが、予想以上に、セリエルが怯えた表情をしていたので、アルファロは言葉を失った。
 これ以上、墓地の中に入るのが、怖いのだろう。そう踏むと、セリエルの手を、離そうとする。
「じゃ、ここで待っ…」
 待ってろ、と言おうとした途端、おいてかないで! …というセリエルの、どうしようもない哀願の眼差しに押され、アルファロの手が止まった。
 重なったセリエルの手が、細かく震えている。
 ただの墓地なのに…。それでも、セリエルの魂がひどく萎縮していた。頼れるのが自分しかいないのだと再確認すると、やるせなさげに目を細める。
 怖いなら、ついてこなけりゃいいのに…。
 それでも、サマンドを…ついでに自分のことも心配して、大の苦手な場所までやってきてしまったセリエルに、愛おしさを感じそうになって、その感情を振り払おうと、アルファロは、勢い、彼女の手を裾から離して、今度はしっかりと握り締めた。要は、保護者面してれば良い。それにしても…、一人っ子だっただけに、セリエルのことを妹だと思おうとしても、無理がたたる。つくづく、保父さんだなんて職業には向いていないな…と、心の中で独りごちた。
「っ…!?」
 驚いたセリエルが自分を見上げるが、アルファロは照れて…恥ずかしくて、そっぽを向いた。構わずに歩き出す。
「これで怖くないだろ!?」
 ぶっきらぼうに言われ、セリエルは、信じられないといった感じでアルファロを見上げ続けた。
 手をつながれたまま、アルファロに、墓地の中へとひっぱっていかれる。
────────── やっぱり、怖い…。
 心の中は、怖くて、行きたくなくて、いっぱいなのに…。
 唇も手も、全身が震えてしょうがないのに。
 でも…繋がれた手だけが、温かい。
 胸の鼓動も高鳴り、ドキドキしっぱなしで、そのうち心臓がパンクするかと思った。
 怖くてドキドキしてるのか、別のことで動揺してるのか、訳が分からなくなる。
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