メトセラの仲間たち - 新進画家に復讐してください -
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発行者:海原 灯
価格:章別決済
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ジャンル:恋愛
シリーズ:メトセラの仲間たち

公開開始日:2013/07/18
最終更新日:---

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メトセラの仲間たち - 新進画家に復讐してください - 第1章 キラキラを探してください
 途端に正体を現したアルファロのえげつない脅迫に、顔を青くして、セリエルは、今言ったことを撤回した。
「…じゃ、いい」
「残念」
 オルレイン伯爵が、2人の会話を聞いて、多少苦笑いをしながらも、ホッとしたように胸をなで下ろす。
「よ、良かった良かった…。まぁ、なんにしろ、よく話し合いなさい」
 良くない…。
 仏頂面で、アルファロからそっぽを向いたセリエルは、デスクの上に散乱した皿の重なりを見やった途端、辟易したように、顔をのけぞらせた。それを見て、アルファロが嬉しそうに、デスクの上を指差す。
「目の付け所が良いな。お前の為に、仕事をちゃんと取っておいたぞ。さ、とっとと片付けてくれ」
「…あ、あたしはぁ…、お前の召し使いじゃないぞっ!!」
 2人の険悪なムードに恐れをなして、伯爵は1人、そそくさと部屋を出て、去ってしまった。
 残された2人は、なんともいえない微妙な空気の中で、互いに睨み合っている。
「召し使いだよ。じゃなきゃ、ここには置いてない」
 少しして、そう言い切ると、アルファロは愉快そうに、口元に笑みを刻んだ。
「お前は、オレの、奴隷だ」
 再確認させるかのように、威圧的にそう断言すると、アルファロは、ショックを受けているセリエルの頭に、バスタオルを無造作に被せた。
「さっさと髪を乾かせ。どこでどうやったら、そんなに雪をかぶってこれるんだ。今日は、外は、降ってないだろ!? 転ぶ才能は、天下一だな」
 言い返そうとしたセリエルだったが、頬に触れたバスタオルの温かさに、ふと口ごもってしまった。
 バスタオルは、暖炉の側にあった椅子の背にかけられていたため、火の温度が移っていた。普段、書斎ではバスタオルなんか滅多に使わないアルファロだ。セリエルがここに運ばれてきて、すぐに用意しておいたのだろう。温まった時分に、投げてよこした。
 それによく見ると、全身もブランケットで包まれていて、さっきまでの凍えそうだった身体が、すっかり解れ、リラックスしていた。
「…」
 嬉しいのだけれど、素直に感謝できないセリエルは、悔しそうに唇を噛むと、ムスッとしたまま、バスタオルで髪を乾かす。
 いつもそうだ。こいつは、決まって、優しくなる前は、人をこき下ろすか、使いまくる。
 どっちなんだよ。
 優しくしたいのか、苛めたいのか。
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